[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;28892.11;+183.53
TOPIX;2007.14;+6.33


[後場の投資戦略]

 本日の日経平均は反発し、3ケタの上昇で前場を折り返した。日経平均への寄与が大きい値がさの半導体関連株の反発、中国恒大の目先のデフォルト(債務不履行)回避などが理由に挙げられるが、前日500円を超える大幅下落を強いられた反動も大きいだろう。日足チャートでは、28500円台に位置する75日移動平均線が下値を支え、29000円近辺に位置する5日移動平均線や25日移動平均線に迫るまで値を戻す場面もあった。売買代金上位で半導体関連株の上昇が目立つ一方、業種別騰落率では商品市況の下落により関連セクターが軟調。もっとも、ここまでの東証1部売買代金は1兆1000億円強とさほど膨らんでおらず、サインポストが売買代金上位にランクインしていることからも、主力大型株の売買は引き続きやや低調な印象を受ける。

 新興市場ではマザーズ指数が+0.32%と3日ぶり反発。ただ、前日は日経平均以上に大幅な下落を強いられており、戻りの鈍い印象は拭えない。アスタリスク<6522>が再びストップ高を付けるなど賑わいを見せているが、物色は広がりを欠く。

 さて、前日は本稿執筆後、後場になって日経平均が大きく値を崩した。先物手口ではみずほ証券や野村證券が日経平均先物を大きく売り越しており、日本郵政の大型売出しに絡んだものとの見方が多かった。今回の売出しの規模はおよそ9500億円に上るとみられており、株式需給の悪化が懸念されている。

 ただ、それ以前に日本株は「需給的に大きく振れやすい」状況にあったのではないかとも考えられる。これまで当欄で指摘してきたが、先々週末ごろから続いていたBofA証券の東証株価指数(TOPIX)先物買い越しが今週半ばには一巡。9月の自民党総裁選と前後してTOPIX先物を大きく売り越していた海外実需筋の買い戻しが株価の戻りを演出したが、一段の押し上げは期待しづらくなった。

 また、現物株でも様子見姿勢の投資家が多く、短期志向の投資家中心の売買となっている印象が強い。このところ東証1部売買代金は2兆円台半ばあたりの日が多く、9月の政局相場時と比べるとだいぶ減少した。また、売買代金上位にはインターネット証券で人気の半導体関連株や海運株が並び、ここ数日はサインポストやアスタリスクといった中小型株まで顔を出すようになってきた。中小型株はともかく、大型の半導体関連株や海運株も日々の値幅はかなり大きく出ており、投資資金の足は速いだろう。

 日本株を揺さぶる懸念も依然として残る。米国では原油先物相場が反落したとはいえ、売り一巡後は買い直されて下げ幅を縮めた。期待インフレ率の指標である10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)は2.64%(+0.07pt)、長期金利は1.70%(+0.05pt)に上昇。「恐怖指数」とされる米株の変動性指数(VIX)が15.01(-0.48)まで低下し、S&P500指数は最高値を更新したが、やや楽観に傾き過ぎているとの懸念も拭えない。実際、時間外取引でスナップなどのSNS関連銘柄が急落しており、株価変動率(ボラティリティ)が急速に高まる可能性はあるだろう。

 中国恒大も目先のデフォルトを回避したに過ぎない。資産売却は難航しているもようで、今後も資金繰りに苦慮する場面が続くだろう。本日も香港・上海株は上値の重い展開を強いられている。さらに、国内では衆院選で自民党が単独過半数を維持できるかが争点に浮上してきた。来週から主要企業の決算発表が本格化するタイミングではあるが、今後も荒い値動きとなる場面が出てくることを視野に入れて取り組みたい。
(小林大純)