[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;28055.28;-490.40
TOPIX;1952.48;-31.99


[後場の投資戦略]

 週明けの東京市場は総じて冴えない展開。日経平均は25日、75日、200日の各移動平均線が上値抵抗線となっており、9月14日の高値を直近ピークにした上値切り下げトレンドが継続。東証株価指数(TOPIX)も200日線まで下がってきている。

 セクター別では、資源関連株など景気敏感業種を中心にほぼ全面安。先週末に大きく下落していたハイテク・グロース株の下落は限られているが、押し目買いも入りにくいとみられ、好決算をきっかけに連騰が続いていた三井ハイテク<6966>などは本日も下げがきつい展開となっている。

 大台の1000ptを既に大きく割り込んでいるマザーズ指数も前場中頃からマイナスに転じるなど冴えないが、今週から新規株式公開(IPO)ラッシュとなることを踏まえれば致し方ない。本日、マザーズ市場にIPOした3銘柄のうちJDSC<4418>は公開価格とほぼ同水準での初値形成となったがその後は値幅制限いっぱいまで買い進まれた。また、HYUGA PRIMARY CARE<7133>も公開価格を大幅に上回る水準で初値を付けた後、ストップ高まで買われた。マザーズ市場での個人投資家の評価損益率は事前に相当に悪化していたため、今後のIPOラッシュの中でも良い初値形成とセカンダリーが続けば、損益改善した投資家のマザーズ既存銘柄への回帰とともに、マザーズ指数の底打ち感にもつながるかもしれない。

 他方、全体相場は暗雲垂れ込むかのような状況だ。先週、米連邦公開市場委員会(FOMC)の公表結果とパウエル議長の記者会見を受けて、直後の米株市場がハイテク株を中心に大幅高となったことで、懸念要素も払しょくされ、いよいよ年末株高ラリーかと期待する投資家も多かったと思われる。

 しかし、期待空しく、英国中央銀行が予想外の利上げに踏み切ったことや、日銀がコロナ禍での資金繰り支援策の縮小を決めたことで、世界的な金融緩和縮小が改めてフォーカスされるなか、週末は一転して前の日の上昇分を打ち消す展開。ハイテク・グロース株中心に急伸・急落したことから、消去法的に景気敏感株が頼みの綱になるかと思いきや、欧米でのオミクロン株感染の急拡大が待ったをかけた。

 オミクロン株については重症化率が低いことや既存ワクチンがある程度有効という報道を受けて懸念が大きく後退していたが、感染拡大のスピードは想定以上とみられ、医療機関の逼迫が警戒されている。オランダでは既にロックダウン(都市封鎖)が決まった。また、英国では新規感染者数が18、19日と連日で1万人を超え、ロックダウンには至っていないものの、検討せざるを得ないと伝わっている。景気回復が鮮明だった米国でも劇場街ブロードウェーでの休演などイベントの延期が相次いでいるという。

 さらに、米国ではバイデン大統領の経済施策を盛り込んだ2兆ドル規模の税制・支出法案について、マンチン議員が不支持の立場を明確にするなど、寝耳に水のような事態が起こっている。オミクロン株の感染動向に加え、米経済対策の先行きにも不透明感がくすぶるなか、景気敏感株にも強気一辺倒になれない。

 米長期金利が停滞するなか、米ハイテク株は先週末に押し目買いも見られたが、こちらも不透明感が強い。NY連銀のウィリアムズ総裁は、利上げが経済にとり「ポジティブなサイン」としたほか、連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は3月FOMCでは利上げも選択肢となると発言。政策金利見通し(ドットチャート)で来年3回の利上げが示されていたとはいえ、3月となると、テーパリングの終了と同時になる。あまりにFRBのタカ派への姿勢転換が鮮明で、インフレはFRBにとってそこまで想定外の事態になっているのかと疑念をもたらす。FRBが先手で動く分には相場は好感しそうだが、後手に回った対応の印象が強いと、利上げはストレートに相場のマイナス材料として捉えられそうで、懸念が高まる。

 さて、後場の日経平均は下値模索の展開が続きそうだ。上海総合指数や香港ハンセン指数などのアジア市況のほか、時間外の米株価指数先物は総じて軟調。前引けにかけては急速に下げ幅を広げており、投資家心理は悪化している。心理的な節目の28000円をかろうじて維持して前場は終えたが、後場、この水準を下回るような場面があると、仕掛け的な売りも膨らみそうで注意したい。