[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;28395.24;-92.63
TOPIX;1988.92;-8.09


[後場の投資戦略]

 本日の東京市場では朝方こそ自律反発期待の買いが先行したが、日経平均は-0.33%、東証株価指数(TOPIX)は-0.41%で前場を折り返した。前日のNYダウが下落したとはいえ、アジア市場で香港ハンセン指数や上海総合指数が上昇しているのを見ると、相変わらず日本株の軟調ぶりが目立っている。日経平均の日足チャートは、下降する5日移動平均線に上値を抑えられ、連日で長めの陰線を引く形。金融株や市況関連株の一角が上昇しているが、東証1部銘柄の6割強が下落しており、引き続き中小型グロース(成長)株の下げが目立つ。ここまでの東証1部売買代金は1兆5000億円あまり。米雇用統計の発表や3連休を控えたタイミングながら、日中値幅が大きいだけに前日並みの水準となっている。

 新興市場ではマザーズ指数が-1.96%と5日続落。こちらは日経平均に先んじてマイナスへ転じた。連日で取引時間中の昨年来安値を更新しており、前日も述べたとおり2020年5月以来の安値水準となっている。時価総額トップのメルカリ<4385>こそ底堅く推移しているが、その他主力IT株は全般軟調。売買代金上位ではFRONTEO<2158>が5日続落している。個人投資家のセンチメントや資金余力の悪化は鮮明で、日本株の弱さの一因となっているのかもしれない。

 他に考えられる要因としては、日本国内における新型コロナウイルス感染者数の増加などといったところか。東京都の新規感染者数の推移は4日151人、5日390人、6日641人となっている。前日の先物手口を見ると、クレディ・スイス証券やJPモルガン証券、BofA証券といった外資系証券が日経平均先物を売り越していた。本日も陸運株や旅行関連株の一角が軟調で、感染拡大への警戒感が窺える。もっとも日本株の評価が高まらない根本的な理由は別にあるかもしれないが、そのあたりの議論は別の機会にしたい。

 さて、6日の米市場では原油先物相場(ウエスト・テキサス・インターミディエート、WTI2月物)が一時80ドル台まで上昇した。産油国カザフスタンの政情不安などが取り沙汰されたが、このところ原油需要増加への期待が高いことも背景にある。こうした動きの一方、期待インフレ率の指標とされる10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)は2.46%(-0.07pt)とさらに低下した。金利は短期の年限を中心に上昇し、10年物国債利回りは1.72%(+0.02pt)。一時1.75%と昨年3月以来の高水準を付けた。

 セントルイス連銀のブラード総裁は6日、「早ければ3月のFOMCで政策金利の引き上げを開始することが可能で、その後インフレ対応における次のステップとしてバランスシート縮小に着手することもあり得る」などと述べたという。FOMC議事要旨に続き、ブラード氏の発言がFRBの「インフレファイター」ぶりを意識させたとみられる。

 これらを受け、名目金利から期待インフレ率を差し引いた実質金利の上昇が続く形となっている。株式市場では米ハイテク株などの押し目買い意欲の根強さが窺えるものの、逆風が止んだとは言えない。今晩発表される12月雇用統計を受けてこうしたトレンドが続くのか、あるいは転換点となるのか見極めたいところ。なお、市場予想では12月雇用統計について、非農業部門雇用者数が前月比44万人あまりの増加(11月は21万人増)、失業率が4.1%(同4.2%)、平均時給が前月比0.4%増(同0.3%増)になるとみられている。
(小林大純)