[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;28150.50;+205.71
TOPIX;1996.01;+23.44


[後場の投資戦略]

 日経平均は28000円を回復して堅調推移。前日の米株式市場は反落となったが、明日の国内祝日を前に売り方の買い戻しが入っているもよう。日経平均は上向きの5日移動平均線上で推移しているほか、25日線が上向きの75日線を下から上に抜くゴールデンクロスの示現が目前に迫るなど、テクニカルな形状は良好だ。手掛かり材料難ではあるが、下値も堅い中、根強い年末株高への期待から、今後上放れしそうなチャートになってきた。

 前日、サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、金融政策の実体経済に及ぼす影響に時間差が伴うタイムラグ効果を踏まえて利上げの行き過ぎに懸念を示した。また、タカ派な発言が目立っていたクリーブランド連銀のメスター総裁からも、次回12月13−14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅縮小について賛同の意が示されるなど、米連邦準備制度理事会(FRB)の姿勢に軟化の兆しが改めて確認された。

 こうした中でも、前日の米株式市場が反落したのは、市場の関心がすでにFRBの金融政策から企業の業績悪化など景気後退に移ってきているからであろう。なお、上述のメスター総裁は一方で、「利上げ停止に近づいているとは考えられない」ともしており、タカ派な姿勢も維持している。FRBが物価指標の中で最も重要視している個人消費支出(PCE)コアデフレータは最新の9月分で前年比+5.1%と、FRBのインフレ目標である+2%を大幅に超過している。

 遅行データに頑なに固執した政策運営を疑問視する声も一部で聞かれるが、インフレ動向を見誤り、利上げ着手に遅れたFRBとしては、インフレのぶり返しを絶対に避けたいと考えているため、PCEコアデフレータの明確な減速と2%への収束が確信できるまでは高水準の金利を維持する可能性が高い。現在の市場コンセンサス通り、来年3月で利上げが停止されたところで、来年中の利下げへの転換にはハードルが高いため、景気後退が深まる中での高水準での金利据え置きとなり、企業業績の悪化が懸念されても不思議ではないだろう。

 今後は12月に発表される米11月消費者物価指数(CPI)でのインフレ減速確認による株高期待と、来年度の米国企業業績のアナリスト予想の下方修正による株安懸念が拮抗する状態がつづこう。利上げ停止と年末株高への期待から下値は堅い一方、上値も重い状況が長期化するとみておきたい。
(仲村幸浩)