売り一巡後の底堅さを見極め、期末要因を意識した配当志向の物色に
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まろう。シリコンバレー銀行の破綻による金融システム不安から、朝方は下へのバイアスが強まる可能性はありそうだ。ただし、日経225先物は先週末に510円安、ナイトセッションで330円安と大幅に下落する格好から織り込んでいる面がある。27500円辺りには25日線が位置しており、これが支持線として機能する可能性もあることから、売り一巡後は買戻しに向かわせる展開も意識しておきたいところだ。
なお、米財務省とFRB、米連邦預金保険公社(FDIC)は、シリコンバレー銀行の破綻について共同声明を公表した。イエレン米財務長官はFDICがすべての預金者を完全に保護する方法で破綻処理を完了するための措置を承認したと表明したと報じられており、買戻しに向かわせそうだ。ただし、明確な底打ちには見極めが必要であり、他の銀行においても金融リスク不安が広がる可能性もあるため、リバランス中心で積極的な買いに転じる流れは期待しづらい。
日経平均は6日にマド(27961-28153円辺り)を空けての上昇を見せており、10日の下落で、マド上限まで下げていた。売り先行からマドを埋めてくるようだと、いったんは調整一巡感が意識されてきそうだ。一方で、マドを空けての下落で戻りの鈍さが見られてくるようだと、チャート上では上にアイランドリバーサル形状を残す可能性もあり、その場合には25日線が位置する27700円辺りがターゲットとして意識されてきそうだ。まずは売り一巡後の底堅さを見極めたい。物色としては期末要因を意識した配当志向の物色に向かわせよう。