ドル指数は昨年9月来の安値を更新した。11月の米国大統領選挙の水準を更に下回った。米国共和党のマコネル上院院内総務は、独自の医療保険制度改革法(オバマケア)代替法案の成立を断念。税制改革の資金源になると見られていたオバマケア代替法案の成立が失敗したため、広範で大規模な減税が困難となると見られている。12月の利上げ観測も大幅に後退した。



米共和党が発表したヘルスケア改革案に対して、上院議員4名が反対の意思を表示し、可決が不可能となった。マッコーネル上院院内総務はオバマケア廃止法案の採決だけを目指し、2年間で案を修正していく計画。しかし、代替法案なく、単なる廃止法案の成立も困難と見られている。民主党もオバマケア成立までに14か月かけていることを考慮すると、共和党がたった7ヶ月で、オバマケア撤廃、代替法案を成立させること事態、かなり無理があったとも考えられる。



結果を受けて、トランプ米大統領は「非常に失望した」と発言。今後はオバマケアが自然と崩壊していくのと待つ方針に転じる。健康保険関連の支出が拡大も連邦政府の支援が打ち切られ、地方政府も資金を補えなくなる。健康保険料も急伸することになり、2018年の中間選挙ではオバマケアを進めた民主党に不利に働く。トランプ氏は、そうなった暁には民主党もオバマケア撤廃・代替法案成立に協力することになるだろうと指摘した。



当面は、債務上限問題の解決、インフラ、税制改革法案の成立に力を注ぐことになる。ヘルスケア法案の混乱を教訓に、ムニューシン米財務長官やコーンNEC委員は税制改革において、より協調したアプローチを進めていると報じられている。ムニューシン米財務長官は、「米国はGDP3%以上の持続的な成長に焦点を当てている」と繰り返した。トランプ米大統領の経済政策の助言役を務めているブラックストーンのシュワルツマン会長兼最高経営責任者(CEO)も、「思わぬサプライズもある」と、前向きな発言をしている。ただ、市場の落胆は回復しない。