「肝臓移植が入院からわずか4時間で行われる…こんなことは医学上ありえない」。中国では、多くの法輪功学習者から強制的に臓器を収奪されている、との証拠がいまだに出続けている。最近、公開されたドキュメンタリー映画『臓器狩り10年の調査(活摘十年調査)』は、この残虐行為は、中国共産党の中央が指揮していると伝えている。



 冒頭は、世界平均2〜3年の待ち時間を要する移植手術が、上海長征病院で異常な速さで行われた、という映画の主な出演者・汪志遠氏の言葉だ。汪氏は、中国で30年間、空軍医として在籍した後、1995年に渡米。ハーバード大学で心血管疾患の研究員となった。汪氏は法輪功迫害について調べる国際組織「追査国際」(WOIPFG、本部=米国)の創設者兼代表でもある。



 監督は、中国テレビ芸術の最高賞「金鷹賞」を3回受賞した、南京市テレビ局元ディレクター・李軍氏。映画は、2017年1月にハリウッド国際独立ドキュメンタリー映画祭で最優秀監督賞と最高海外ドキュメンタリー映画賞を受賞した。



 ストーリーは、2016年8月にWOIPFGの報告書「世界臓器収穫犯罪要覧」の内容に基づく。「臓器狩り」計画は、すでに10数年以上続いている、莫大な利益を生むビジネスとなっていると指摘。汪氏は、軍、病院、裁判所などが組織立って広範囲に行われており、「臓器狩り」は倫理の欠如した病院や外科医たちだけの殺人ではないと主張する。



 臓器狩りは、2016年4月時点も続いているとみられる。映画で流されたWOIPFGの録音電話で、黒竜江省牡丹江市の刑務所の高官は、拘束した法輪功学習者から「(臓器を)全部採って売ったよ、俺は屠殺者と呼ばれているんだ!」とはばからずに発言した。



■病院のボイラー室で「生きたままの人も…焼かれている」



 瀋陽市蘇家屯にある遼寧省血栓中西医結合医院で、大勢の囚われの身となった法輪功学習者から臓器を摘出したとの内部告発を受けて、汪氏は独自調査を行うことを決意した。



 この告発は、脳外科医の妻で同病院事務員だったアニーさんから。「毎日、何人もの法輪功学習者から角膜や臓器が摘出された」と述べ、身体は証拠隠滅のため、ボイラー室で焼かれていたと明かした。「なかには生きたままの人もいた」という。



 この証言は2006年3月、米ワシントンで米中首脳会談が行われる最中、在米法輪功修練者が主催の集会で行われた。



 WOIPGは臓器狩りに関する情報を調べたところ、中国の865以上の病院と9500人以上の外科医が「臓器狩り」関与の疑いがあるとした。



 また、年間平均の臓器移植手術が2000〜3000件の病院が96カ所あり、この数だけを総計しても、中国全体で19万2000件もの手術が行われていることになる。臓器の出所は、「強制的なドナー」となった、収容所で大量に拘留された法輪功学習者とされる。1999年7月20日の弾圧政策開始以後、全国で大勢の法輪功学習者が強制連行され、そのまま行方不明になっている。



 2017年ノーベル平和賞候補のジャーナリスト、イーサン・ガットマン氏は、「臓器狩り」そのものは90年代にウイグル自治区で高官向けの臓器移植手術用に行われたとの証言をすでに得ている。1999年の法輪功迫害政策以後に臓器移植手術件数が大幅に増大したことから、同氏は最近公開された動画で、「迫害と臓器移植手術はリンクする」と述べている。



 移植手術経験者が再び、「臓器の交換」の手術を受ける可能性があるため、移植手術件数だけで患者やドナー数を割り出すのは困難を極める。しかし、膨大な数の人々が臓器移植手術のために犠牲になっていることがうかがえる。



 法輪功学習者は信条のため、タバコやお酒も飲まず、健康的だと知られている。WOIPGは電話調査で「法輪功学習者の肝臓を入手できるのか」と問い合わせた。「私たちが取り扱うのは全部この類(法輪功学習者)のもの」と上海の長征病院の医師は答えた。この発言は録音され、ドキュメンタリー映画で証拠として流されている。



■「私が担当した」臓器狩りを認める中国共産党高官



 元中央政治局常務委員の李長春は、WOIPFGのおとり調査で重慶の元トップの薄熙来(汚職で2012年に失脚、無期懲役判決で服役中)について、質問された。2012年4月、李氏は、薄熙来の後ろ盾である周永康が担当しており、彼に聞きなさいと即座に答えた。周はのちほど、逮捕・起訴され、2015年に無期懲役の判決が下った。



 現職の中央政治局常務委員で江沢民・元主席の腹心とされる張高麗は、2015年6月のカザフスタン訪問時、江の秘書と名乗ったおとりの調査員に「法輪功が江沢民を起訴している、臓器狩りの責任は重い」などを問い詰められると、「必ずうまく処理する、安心してくださいと江氏に伝えて」と答えた。



 薄熙来は2013年8月、臓器狩りを指示したのは「江沢民だ」と述べた。



 国際刑事裁判所の報告書によると、臓器狩りは、現在進行中の大規模な国家的犯罪であり、中国共産党イデオロギーに反して、信条を放棄しない法輪功修練者の弾圧を目的としている。



 番組製作側の意向で、日本語字幕付きの『臓器狩り10年の調査』は、動画共有サイトYoutubeで鑑賞できる。



(翻訳編集・佐渡道世)




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