■先週の通貨の強弱



先週強さを見せたのはECB理事会後に急騰したユーロであった。また、スイスフランもユーロに併せ上昇する動きとなり、底堅い動きとなった。

一方で冴えない動きとなったのはポンドであった。英国のCPIが前回よりも低下したことで利上げ期待が後退したほか、EUとの離脱交渉の進展もなく、ポンドは上値の重い推移が続いた。

RBA議事録にて景気に対し楽観的な見方がされていたことや豪雇用統計の結果を受け、前週に続き豪ドルは底堅い推移を続けていたが、デベルRBA副総裁による「世界経済の成長による恩恵を通貨高が阻害」「単純に他の中銀の利上げに追随することはない」といった豪ドル高を牽制するようなコメントにより急落する動きとなった。

前週に利上げを行い底堅い推移となっていたカナダドルは弱い米ドルやポンドに対しては優勢となったが、その他の通貨に対しては伸び悩む動きとなっている。

米ドルは米国債利回りの低下もあり、上値の重い推移が続いている。イエレン議長の議会証言後に7月の会合でのバランスシート縮小への期待が縮小したほか、トランプ政権への不信感が強まったこともドル売り材料となった。

弱い推移を続けていた円は米国債利回りの低下を背景にドル円が軟調な推移となったこともあり、底堅い推移となっている。



■今週の注目材料



□米国FOMC

今週はFOMCの開催が予定されている。今回の会合ではバランスシートの縮小、利上げ共に見送られる可能性が高いと考えられている。イエレン議長の記者会見も予定されていないため、声明文の内容に注目が集まる。冴えない消費者物価指数に対する評価や次回以降のバランスシート縮小への地均しが行われるかどうかに注目が集まる。

内容の如何を問わず、発表直後は上下に揺さぶられる動きとなることが想定されるため、注意が必要である。



□米国経済指標

今週は米国4-6月期GDP速報値、6月中古住宅販売、7月消費者信頼感指数などの重要経済指標の発表が予定されている。冴えない結果が続くようであればドルの上値圧迫材料となる。



□英国4-6月GDP

利上げへの期待が高まっている英国であるが、先週の英国消費者物価指数は伸び悩む結果となり、利上げ期待が多少和らいだ。EU離脱交渉についても進展は見られていない。GDPも冴えない結果となると、再度ポンド売りが加熱するというシナリオも考えられそうである。



□豪4-6月消費者物価指数

オーストラリアの消費者物価指数は四半期に一度発表されるデータとなる。昨年は落ち込む動きとなったが今年に入り2%台を回復しており、下げ止まり感も出てきている。前回よりも強い結果となるとRBAの利上げが意識され、豪ドルの下支え材料となる。



□その他

引き続きトランプ大統領のロシアゲート問題に関する報道には注意したい。トランプJrの議会証言などを警戒したリスク回避色が強い相場となる可能性がある。

また、本日はIMFの世界経済見通しの改訂版が公表されるほか、OPEC加盟国と非加盟国の閣僚会議なども予定されており、波乱含みの週となりそうである。



■主要通貨の対ドルでの動き



□USDJPY

ドル円は上値の重い推移が続いた。木曜日には下げ止まり感も見えたが、結局踏ん張ることはできず安値を更新する動きとなり、111円台前半での推移となっている。先週踏ん張れなかったこともあり、今週も引き続き上値が重くなる可能性がある。

MACDを見るとMACDが0付近での推移となっており、さらなる下落余地も残されていそうな状況となっている。

OANDAのポジションを見ても、含み損を抱えた買いポジションが目立つ状況となっており、上値を重くしそうな気配を漂わせている。

大きな流れでは108-115付近のレンジでの中で徐々にレンジ幅を収縮しながら力を貯めるような動きとなっており、どちらかに振り切れると動きが大きくなりそうな状況となっている。

今週は下値を探る動きとなった場合には直近のサポートとなった109.00付近を守れるかどうかに注目したい。割り込むような動きとなると均衡が崩れ、大崩れとなる可能性も浮上する。



□EURUSD

ユーロドルは堅調な推移が続き1.16台中盤の推移となっている。上昇基調が鮮明になっており、多少の調整に対する注意が必要であるが、引き続き上昇基調が続く可能性が高そうである。

OANDAのポジションでは含み損を抱えた売りポジションが目立つような状況が続いており、下がったところではやれやれ買いが下支えとなり、さらに上昇するようであればストップ買いが上昇を後押ししそうな状況となっており、底堅い推移が続きそうな状態が続いている。

日足チャートでは伸びきったような状態となっているため、週足チャートも併せてチェックし、状況を把握したい。



週足チャートでは長らく続いているレンジの上限付近での推移となっており、この水準で押し戻されるような動きとなると調整が勢い付く可能性も考えられる状況となっているが、逆にこの水準を上抜けるとその上にレジスタンスとなりそうな水準もなく、1.2突破への期待が高まりそうである。



□GBPUSD

ポンドドルは先週、レジスタンスを突破するような動きとなりさらなる上昇への期待が高まったが、英国消費者物価指数が弱含んだことで失速する動きとなった。

RSIを見るとダイバージェンス気味となっており、さらなる調整にも警戒が必要な状況となっている。

OANDAのポジションを見ると含み損を抱えた買いポジションが目立つ状態となっており、下値を探る動きが続くようであれば、これらのストップ売りが下落を後押ししそうな状況となっており、注意が必要である。

総じて見ると、今週も引き続き下値を探る動きには注意が必要と考えられる。



□AUDUSD

先週の豪ドルは上昇基調が続いたが、金曜日にRBA副総裁のコメントを受けて調整が強まるような動きとなった。クローズに向けては多少戻す動きとなっているが、今週も調整売りは続く可能性も挙げられる。基調が上昇基調であることを考えると上下双方向への動きに警戒が必要と考えられる。

ユーロドル同様に伸びきったような動きとなっており、週足チャートも併せて状況を確認したい。



週足チャートを見ると保ち合いを抜け出すような動きとなっているのが確認でき、さらなる上昇にも期待できそうな状況となっている。ただし、0.8に迫る水準でRBAの牽制が入ったことを考えると、上昇が強まる場面では豪ドル高への懸念姿勢を強める可能性があるため、RBA関係者のコメント機会には注意が必要になる。

また、FOMCなどの米国イベントのインパクトが大きくなることが予想されるが、今週予定されている豪4-6月期消費者物価指数のインパクトも大きくなることが想定されるため発表前後は注意したい。







【ニュース提供・エムトレ】