オーストラリアで中国の影響力が着々と広まっていることに懸念の声が高まっている。有識者は、約15万人の中国留学生は共産党思想と言論抑圧の手法を豪州の大学に浸透させていると警鐘をならした。



 ニューヨークタイムズ紙は最近、シドニーのレービ研究所(LowyInstitute)の東アジア問題専門家、バラール氏の関連の論説を掲載した。同氏は2008〜09年、北京の大学で教鞭を執っていた。



 記事の中で、同氏は中国共産党の言い分に反する事実や見解を受け入れようとしない学生が多いとしている。一方で共産党を擁護しない学生は抑圧を恐れて己の言動を検閲する。勇気をもって異議を唱える極少数の人は、往々にして共産党支持派に制止されてしまう。



 バラール氏の最大の懸念は「中国人留学生がこのような極端なやり方と思想を、豪州の大学に持ち込んでいる」ことだという。



 キャンベル大学の中国学生学者連合会の会長で20代の女子留学生は、かつて豪州大手メディアの取材に対し、留学生による反中国政府活動の情報をつかんだら、必ず大使館に報告していると堂々と述べた。中国共産党の支持者はこうして国内外で周囲を監視している。スパイではなく、自発的に行っている人も少なくないとみられる。



 経済発展の時期に生まれ、中国共産党による洗脳教育をたっぷりと受けて育った若い世代の多くは「政府の論調に反対するのは悪いこと」という観念を植え付けられている、と中国問題専門家は指摘する。



 共産党を支持していない留学生は「たとえ海外でも自分の本音を語ることはできない」とバラール氏に胸のうちを明かした。 



 バラール氏は、オーストラリアの大学はこの脅威に対応できていないと指摘し、「関係者はみて見ぬふりしているかもしれない。景気のよくない豪州の大学に、中国の学生が大金を注いでいるからだ」と現状を危惧した。



 中国共産党は近年、政治家に献金したり、農場の買収や政治広告の掲載、(留学生)団体への支配などを通じて、オーストラリアへの浸透を深化させている。今年6月、豪大手メディアは、在豪の中国人実業家が巨額献金で政治介入している、という記事を掲載した。これらの実業家は中国共産党とつながりを持っているとされている。



(翻訳編集・叶清)




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