〇海外勢の買い膨らまず、足踏み感残る〇



28日の日経平均は119円安と軟調だった。米4-6GDPへの警戒感(下振れば円高圧力になる)、北朝鮮情勢の緊迫、東芝懸念(WSJ紙が「法的整理」への支持広がる、と伝えた。明日から2部陥落だが、16年度決算、有報提出など不透明)などが取り沙汰されたようだ。基本的には、未だボックス圏内の動きと考えられる。



大きな背景は、海外投資家の買いが膨らんで来ないことだ。海外投資家の日本株売買を振り返ると、昨年11-12月はトランプ相場で2兆円強買い越し、2-3月はトランプ失望で1兆2711億円の売り越し、仏大統領選を契機とする世界株高の波で4-5月は1兆9545億円の買い越し。ただ、6月は2396億円の売り越し、7月は第3週まで2578億円の買い越し。6月以降の見送り商状は「主戦場が債券市場」、「潜在的円高懸念」などを指摘してきた。米GDPは2.6%成長で事前予想通り、波乱材料とはならなかったが、IMM通貨先物統計で、円の売り越しは前週比5430枚減少の12万1489枚とユーロ買いの見返りで増勢を強めて以降、初の減少に転じた。全体としてはドルは売り越し基調で、ドル円110円を意識した攻防が続くものと思われる。



深夜、1000km飛ばした北朝鮮のICBMは、奇襲作戦のつもりの様だが、落下を初めてNHKのカメラ(室蘭局)が捉えた。素人目には火の玉になっているが、バラバラにならず大気圏再突入しているように見える。もちろん、米西海岸に届く計算で、軍事的な緊張が高まったのは間違いない。米軍の動きは速く、THAADの迎撃実験を行い成功、朝鮮半島周辺に爆撃機を飛ばし、日韓と演習の形を採った。韓国ミサイル部隊との合同演習も行った。米空母は、ロナルド・レーガンが米豪軍事演習のためオーストラリア沖に展開、ニミッツは先般インド洋で演習を行った。カールビンソンは米大陸にいると思われるので、春頃とは異なった対抗措置になっていると思われる。



トランプ大統領が中国に強い不満を表明、中国企業への独自制裁、国連での金正恩委員長制裁などを検討していると伝えられる。偶然か、米議会が対ロ、イラン、北朝鮮制裁案をアッと言う間に通した。北朝鮮の原油輸入封鎖を含み、別法案で渡航禁止措置など急ピッチだ。一方、中国は軍創立90年パレードを内モンゴル自治区で行い(国内向けと見られ、習国家主席を党主席にする準備とされる)、ロシア海軍はサンクトペテルブルグなどで軍事パレードを行いプーチン大統領が視察した。米国と中ロの対立関係が厳しくなるのか、要注意の局面と思われる。



日本企業の4-6月決算は概ね好調だ。今のところ、対中懸念に言及したのは日立の西山CFOぐらいで、中国を中心とした海外拡大の恩恵を享受している。海外情勢を睨みつつ、割安感に着目した海外勢の買いが膨らむか、3日予定の内閣改造など政局展開がキッカケとなるか、などが注目点と考えられる。





以上



出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(17/7/31号)