米国労働省はワシントンで4日に最新8月の雇用統計を発表する。市場の平均予想は失業率が9.8%と、4月に14.7%と過去最高に達したのち、3月以来の水準まで低下が予想されている。非農業部門雇用者数は前月比+135万人と、6月に+480万人と過去最大の雇用増を記録したのち、拡大ペースが引き続き鈍化する見通し。



先行指標の中で、米労働省が発表する雇用統計と最も相関性が高いとされる民間部門の雇用者数を示すADP雇用統計の8月分は+42.8万人と、予想+100.0万人を大きく下回った。さらに、雇用統計よりも現状の労働市場の状況を図る上で最適と見られている週次失業保険申請件数も8月初旬に3月に経済封鎖以来で初めて100万件を割り込んだのち、ウイルスの再燃で、経済活動の再開が遅れ再び100万件台に増加している。米国経済の中でも比較的順調に回復している製造業の雇用の伸びも緩慢。全米の製造業活動動向を示すISM製造業活動指数は予想を上回る回復を見せたが、雇用は依然弱く、44.4と、13カ月連続で50を割り込み活動は縮小したまま。



コンファレンスボードが発表した8月消費者信頼感指数は84.8と、予想外に7月91.7から低下し2014年5月以降6年ぶり低水準に落ち込んだ。パンデミック以降で最低。特に雇用を得るのが困難と応えた消費者は25.2%と、20.1%から跳ね上がった。昨年同月は12%だった。



追加財政策の遅れや経済活動再開の遅れで、労働市場の回復は停滞。一部企業は従業員の一時的解雇から恒久的解雇を強いられている。航空各社はすでに従業員解雇計画を発表。政府からの追加支援がなかった場合、10月1日に実行する。ウイルス後の経済は雇用体系も大きく変わる可能性があり、より効率化することにより今後、今までのような人員が必要でなくなる可能性も懸念される。労働市場が今後、再び悪化する可能性が警戒され、回復を支援するためのFRBの長期にわたりゼロ金利策を維持する緩和策を正当化する。



■8月雇用統計の先行指標



・ISM製造業景況指数:雇用:44.4、13カ月連続で50を割り込み



・ADP雇用統計:+42.8万人(予想:+100.0万人、7月:21.2万人←+16.7万人)



・NY連銀製造業景況指数:

雇用(現状):+2.4(7月+0.4、6カ月平均−10.6)

週平均就業時間:−6.8(−2.6、6カ月平均−19.2)



6か月先

雇用:15.5(7月21.1、6カ月平均13.6)

週平均就業時間:+2.0(3.9、6カ月平均+5.2)



・フィラデルフィア連銀製造業景況指数

雇用(現状):9.0(20.1、6カ月平均−5.5)

週平均就業時間:11.3(17.2、-6.5)



6か月先

雇用:29.5(32.4、6か月平均27.4)

週平均就業時間:19.1(27.3、6か月平均22.1)



・消費者信頼感指数(%)



雇用現況(%)

十分:21.5(22.3、50.3)

不十分:53.3(57.6、37.7)

困難:25.2(20.1、12.0)



6カ月後の予想

雇用

増加:29.1(29.6、19.9)

減少:21.9(21.3、13.7)

不変:49.0(49.1、66.4)



所得

増加12.7(14.8、24.7)

減少:16.6(15.8、6.3)

不変:70.7(69.4、69.0)



・失業保険申請件数



件数 前週比 4週平均 継続受給者数



08/22/20|  1,006,000|  -98,000| 1,068,000|   n/a

08/15/20|  1,104,000|  133,000| 1,175,250|  14,535,000

08/08/20|   971,000| -220,000| 1,254,750|  14,758,000

08/01/20|  1,191,000| -244,000| 1,339,000|  15,480,000

07/25/20|  1,435,000|   13,000| 1,368,750|  16,090,000

07/18/20|  1,422,000|  114,000| 1,362,000|  16,951,000

07/11/20|  1,308,000|   -2,000| 1,377,000|  16,151,000

07/04/20|  1,310,000|  -98,000| 1,435,000|  17,304,000



■市場エコノミスト予想

失業率:9.8%(7月10.2%)

非農業部門雇用者数:前月比+135万人(7月+176.3万人)

民間部門雇用者数:前月比+128.4万人(7月+146.2万人)

平均時給:予想:前月比0%、前年比+4.4%(7月+0.2%、+4.8%)