NYの視点:米労働市場依然冴えず、インフレへの脅威は後退
12月雇用統計での雇用がパンデミック危機が始まり経済が封鎖された直後の4月来の減少となったのち、1月には雇用がプラスに改善も予想を下回る伸びに留まった。冴えない労働市場もインフレ懸念への脅威を削減。米連邦準備制度理事会(FRB)の大規模な金融緩和を長期にわたり維持する方針を正当化する。
パウエル議長は10日のNYエコノミッククラブでの講演で、雇用の状況が大恐慌の最悪期をさらに下回ると悲観的な見通しを示した。また、強い労働市場にはかなり程遠く、実際の失業率は10%に近いと指摘。さらに、パンデミックがディスインフレの影響を与えたためその反動で今後数か月インフレが上昇する可能性があるが、一時的との考えを示しており、「大幅で、持続的なインフレは予想しない」とした。クラリダ副議長はインフレの目標達成において、消費者物価指数(CPI)ではなく、PCEインフレで2.5%を1年間持続することを目指すとしている。米連邦準備理事会(FRB)が緩和策の解除を検討する目安となる。