短期投機家・投資家の円の買い持ち高は前々週から減少し11月来で最小となった。



今週は引き続き米国債相場を睨む展開となる。英国では徐々にロックダウンが解除される方向であるほか、NY市では映画館の運営が再開される。1回の接種で取り扱いも容易で量産が可能なジョンソン・エンド・ジョンソン開発のワクチンの緊急使用が速やかに承認される可能性が強く経済活動の再開を助ける。さらに3月中旬までにはバイデン政権が大規模な経済対策を成立させる計画であることを背景に強い回復を期待したドル買いが継続する可能性が強い。



債券相場ではインフレ過熱懸念が強まりつつあり投資家の一部はリスクと見ているようだ。しかし、FRB高官が指摘しているように、金利は依然歴史的に低い水準で、実質金利はマイナス。FRBはパウエル議長を含め、緩和策の解除にはかなりの時間を要すると繰り返している。議長はインフレ目標達成には3年以上かかる可能性も警告している。



パウエル議長は半年に一度の上下両院議会での証言で、今後数カ月物価上昇を予想するが、一時的との判断で、大幅でもなく、平均2%の目標達成や緩和策の出口戦略の協議開始には程遠いとの見解を繰り返した。議長は今週も討論会に参加を予定している。米国債相場や株式相場が急落したのちの議長の発言に注目が集まる。



そのほか、2月ISM製造業・非製造業指数、2月ADP雇用統計、2月雇用統計、1月貿易収支など重要な指標発表が控えている。また、FRBは地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表。結果は、次回の連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策決定の材料のひとつとなる。結果でテーパリングの時期を探る。



パンデミック終息を背景とした回復やインフレ上昇のシナリオは世界中で強まりつつあり、各国の利回り上昇につながっている。このため、ドルの独歩高は考えにくい。各国中銀とも、金融緩和解除のハードルは高いとの見方で共通している。欧州中銀の一部メンバーは市場を沈静化するために国債購入拡大を推奨し、イールドカーブコントロールの可能性が、ユーロ売り圧力となっている。



中国は全国人民代表大会を開幕。次期5カ年計画(2021-25年)に注目される。





■今週の主な注目イベント



●米国

1日:2月ISM製造業景況指数、ウィリアムズNY連銀総裁講演、ボスティック米アトランタ連銀総裁、メスター・クリーブランド連銀総裁、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁デイリーが討論会参加、米サンフランシスコ連銀総裁が講演

2日:ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事討論会参加、

3日:2月ADP雇用統計、2月ISM非製造業景況指数、地区連銀経済報告(ベージュブック)、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁が討論会参加、エバンス・シカゴ連銀総裁

4日:10-12月期の非農業労働生産性、週次新規失業保険申請件数、1月製造業受注(4日)

5日:2月雇用統計、1月貿易収支



●中国

1日:2月財新製造業PMI

3日:2月財新サービスPMI

5日:全国人民代表大会



●欧州

1日:2月独、仏、ユーロ圏製造業PMI

3日:2月ユーロ圏CPI、ドイツ、スペイン失業率

4日:2月ユーロ圏小売り、失業率



●英国

1日:2月製造業PMI

3日:スナク財務相が予算発表、テンレイロ委員講演 サービスPMI



●3日-4日:OPEC+