米国労働省が発表した4月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.8%と、伸びは3月+0.6%から鈍化予想に反して拡大し、金融危機による景気後退から脱出した直後の2009年6月来で最大となった。前年比では+4.2%と、3月+2.6%から伸びが拡大し2008年9月以降13年ぶり最大。また、FRBが最も注視している変動の激しい食品や燃料を除いたコアCPIは前月比+0.9%と予想外に3月+0.3%から伸びが拡大し、1981年9月以降40年ぶり最大となった。前年比では+3.0%と、伸びは3月+1.6%から予想以上に拡大し1995年5月来で最大を記録した。



昨年の4月は、パンデミックによる経済封鎖が始まったばかり。今年はワクチンの普及が奏功し、経済活動が再開しており、前年のほぼゼロからの大幅な物価上昇はサプライズではない。CPIの詳細から、米連邦準備制度理事会(FRB)が一時的な要因で、物価が上昇していると判断した理由がわかる。半導体不足で、供給が大幅に減少している新車に代わり中古車の売り上げが大きく伸びた。また、経済活動の再開により、需要が増え航空運賃やロッジ、宿泊施設の売り上げが拡大。レンタカーの売り上げはパンデミックによる公共の交通機関の利用を避ける動きに加え、経済活動再開による需要の増加が押し上げた。



●米4月消費者物価指数(CPI)

中古車:+10%、航空運賃:+10.2%、レンタカー:+16.2%、ロッジ、宿泊施設:+7.6%



FRBのクラリダ副議長は4月のCPIの結果が自分の予想を上回ると認め、「もし、物価圧力が一時的でないと証明されれば行動する」と述べた。しかし、「現在の経済指標には多くのノイズがある」とし、さらなる情報が必要と慎重な見解を維持。アトランタ連銀のボスティック総裁も、「インフレでかなりの変動を予想すべき」とし、「9月までインフレで多くのノイズを予想する」と言及。一時的なインフレの動きは対応を正当化しないとした。



一部の高官はインフレが3%近くに上昇すると言及しており、想定内と見ている。前回のスタッフ予測ではFRBは少なくとも23年まで利上げを開始しないと予想している。一方で、米金利先物市場では2022年12月に一度めの利上げ、2023年3月までには2回目の利上げを織り込んだ。市場のパニックがとどまるまでドルの上昇を後押しする可能性がある。