短期投機家・投資家の円の売り持ち高は前々週から増加し、2019年来2年ぶり最大となった。



今週は全米のサービス業活動状況を示す6月ISM非製造業景況指数や労働市場のスラックを探るためにJOLT求人件数のほか、連邦準備制度理事会(FRB)が公表する6月開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の内容に注目が集まる。



6月の雇用統計の非農業部門の雇用者数は予想以上に伸び8月来で最大となったものの、失業率は上昇。労働参加者も増えなかった。賃金も予想に一致する伸びにとどまった。市場は雇用統計が、労働市場の過熱を示せばFRBが8月下旬にジャクソンホールで開催するFRBの年次会合で緩和縮小計画が明らかにされるのではとの思惑もあったが、まちまちの結果を受けて思惑が後退。



6月雇用統計の結果は明確な緩和縮小の必要性を示さず、FRBが当面緩和策を維持することが正当化された。政府の失業保険支援策が支給されており、引き続き多くの労働者が雇用に復帰していない。一部の州では6月中に、支援策を打ち切ったため、7月雇用統計を睨む展開となった。JOLT求人件数は過去最高水準を更新する見込み。900万超の求人件数と、求人が過去最高に達する一方で、依然900万人近くが失業中。求人のある職種と、失業者の技術に解離があることが原因とみられており、FRBが目指す最大雇用達成は長い道のりか。



FRBは6月会合で、金融政策を据置いたが、四半期に一度公表するスタッフ予測(SEP)の中で、インフレ、成長見通しが引き上げられ、利上げの時期の予想も前倒しされたため一時金利先高感が強まった。パウエル議長は金融政策の計画ではないと、結果にあまり重きを置かないよう市場に訴えた。この議事要旨で、見通しの引き上げに関する詳細に注目していく。



ただ、おそかれ早かれ、FRBが量的緩和の縮小が発表されると見られる。米国の金利先物市場はFRBが2022年の10月の利上げ開始を織り込んでおり、ドルの下値も限定的となると考えられる。



■今週の主な注目イベント

●9-10日:G20財務相・中銀総裁会合(イタリア、ベニス)主な議題は世界規模での税制改革。法人税の最低税率15%以上でOECD130カ国が大枠合意

イエレン財務長官参加



●米国

5日:独立記念日の振替で休場

6日:6月ISM非製造業景況指数、6月サービス業PMI

7日:5月JOLT求人件数、連邦準備制度理事会(FRB)が6月連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を公表

8日:週次新規失業保険申請件数

9日:5月卸売売上高



●豪州

6日:豪州中銀金融政策決定会合



●欧州

6日:独ZEW

7日:欧州委員会、経済見通しを発表

9日:ベイリー英中銀総裁とラガルドECB総裁が討論会に参加



●英国

9日:ベイリー英中銀総裁とラガルドECB総裁が討論会に参加



●中国

9日:CPI、PPI