米労働省が発表した10月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.9%となった。伸びは9月+0.4%から予想以上に拡大し6月来で最大。前年比では+6.2%。伸びはやはり9月+5.4%から拡大し1990年以降31年ぶり最大を記録した。また、変動の激しいエネルギーや食品を除いたコアCPIは前月比+0.6%。伸びは9月+0.2%から予想以上に拡大し6月来で最大。前年比では+4.6%。伸びは9月+4.0%から予想以上に拡大し1991年以降30年ぶり最大を記録した。



ガソリン、ヘルスケアから食料品や賃貸など生活コストが広範に上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているコアCPIも30年ぶり最大の伸びで、FRBの目標2%の2倍以上に達した。



CPI指数の59.1%を原油価格の上昇(+12.3%)が占めた。エネルギー全般で+4.8%で、12カ月間では+30%。一時落ち着いていた中古車価格も再び上昇に転じた。前月比+1.4%、前年比+9.8%。食品価格は+0.9%、+5.3%だった。CPIの3分の1を占める住居コストは+0.5%、+3.5%。



10月CPI

原油:+12.3%

エネルギー全般:前月比+4.8%、12カ月間+30%

中古車価格:+1.4%、+9.8%。

食品価格:+0.9%、+5.3%

肉、鶏肉、魚、卵:+1.7%、+11.9%



住居コスト:+0.5%、+3.5%。



生活コストの大幅上昇が賃金の伸びを相殺する。インフレ調整後の実質賃金の伸びは前月比-0.5%。平均時給の伸びは+0.4%で、CPIの伸びをほぼ相殺する。特に、賃貸など住居コストの上昇は長引く兆候があるため、高インフレが一過性に留まらない可能性は懸念となる。FRBは今月の連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和縮小開始を発表したが、労働市場のスラックが存続するため利上げはまだ先との考えを示した。市場ではインフレの予想以上の上昇でFRBの金融政策が立ち遅れるとの警戒感も強まり、米金利先物市場では2022年の利上げを2回織り込んだ。



ただ、物価上昇が今後、消費に影響を与え景気回復が損なわれる可能性も考えられ、スタグフレーション懸念も根強い。