報道によると、ロシア政府は2日、ロシア産石油の輸入の大半を停止する欧州連合(EU)の決定について、「世界のエネルギー市場を不安定にする可能性が高く自滅的な措置である」と批判した。EUは5月30-31日に開かれた首脳会議(欧州理事会特別会合)でウクライナ情勢、ロシアに対する原油などの禁輸措置について議論し、パイプラインによる輸入を除くロシア産原油および石油製品の輸入禁止に原則として政治合意に達した。



EUはこれまでロシアのウクライナ侵攻に対し5つの制裁パッケージを発動している。ロシア産原油の禁輸措置は、欧州委員会が5月4日に提案した制裁パッケージ第6弾に含まれるものだが、一部のEU加盟国の反対により同パッケージはEU理事会で採択できない状況が続いてきた。ロシア産原油への依存度の高いハンガリーが反対していたが、今回の会合で、海上輸送による原油輸入は禁止するが、パイプラインを通して輸入される原油は一時的に例外扱いされることで、合意に至った。ただし、EU全体では、ロシア産から石油輸入を今年末までに90%減らすことになる。この決定に対して、ロシア外務省は「EUがロシア産の石油と石油製品を部分的に排除し、ロシアの船舶への保険を禁止する決定を下したことは、さらなる価格上昇を引き起こし、エネルギー市場を不安定にし、サプライチェーンを混乱させる可能性が非常に高い」との声明を発表している。



ウクライナ戦争の長期化がエネルギー供給不安を高めていることは否定できないが、一部の市場参加者は「ロシアとウクライナが停戦あるいは休戦で合意した場合、原油輸入禁止などの措置の一部または、多くの部分が解除されるのではないか?」と指摘している。