今週は米国で連邦準備制度理事会(FRB)が公表する地区連銀経済報告(ベージュブック)や6月の消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)、小売売上高といった重要インフレ、経済指標の結果に注目が集まる。ベージュブックはFRBが7月FOMCで金融政策を決定する上で参考材料のひとつとなる。特に物価や消費、雇用関連の企業のコメントに注目される。また、経済の7割を占める消費動向を見極める上で小売売上高にも注目。



さらに、米国のバイデン大統領は13日から4日間中東を訪問。石油産油国に増産を要請すると見られており、原油相場動向にも注目。インフレ期待に大きく影響を与える原油価格が上げ止まり、利上げにおいてもピークが見えてくれば、FRBが大幅な利上げを続ける必要性はなくなる。



そのほか、中国が第2四半期の国内総生産(GDP)を発表する予定で、世界経済の行方を見極めるため重要となる。中国経済はコロナゼロ政策による経済封鎖の影響で1%成長に落ち込む見通し。もし、予想を下回った場合、世界経済への懸念にリスク回避の動きが強まる可能性がある。また、15日-16日には主要20カ国(G20)財務相・中銀総裁会合が開催される。



FRBは6月FOMC議事要旨の中で、消費や雇用が力強く、経済が依然引き締めに耐え得ると高インフレ対処を最優先し、7月連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%または0.75%の利上げが適切となる可能性に言及。6月雇用統計の予想を上回る結果を受けて、短期金融市場は7月の0.75%の利上げをほぼ織り込んだ。6月CPIは前年比で8.8%増と、一段と伸び率が拡大し1981年12月以降40年ぶり最大となる見通し。ただ、FRBがインフレ指標として注視しているコア指数は5月から年初来の最小の伸びに減速が見込まれている。また、インフレ期待の指標として当局が注視しているミシガン大学消費者信頼感指数の期待インフレ率にも注目される。もし、長期期待インフレ率が低下した場合、FRBが7月FOMCで小幅な利上げにとどめる可能性も強まり、ドル買いも一服する。雇用統計が遅行指標で過剰な引き締めで、景気が損なわれるとの懸念も根強く、ドルの上昇も限定的となる可能性がある。



■今週の主な注目イベント



●米国

11日:ウィリアムズ米NY連銀総裁がイベント参加

12日:バーキン米リッチモンド連銀総裁が討論会参加

12-13日:イエレン財務長官が日本のイベント参加

13日:6月消費者物価指数(CPI)13日に地区連銀経済報告(ベージュブック)、バイデン米大統領が中東訪問

14日:6月生産者物価指数(PPI)新規失業保険申請件数、ウォラーFRB理事が経済見通しに関し討論

15日:7月二ューヨーク連銀製造業景気指数、6月小売売上高、6月輸入物価指数、6月鉱工業生産・設備稼働率、5月企業在庫、ミシガン大学消費者信頼感指数ボスティック米アトランタ連銀総裁が金融政策、世界の不透明性に関する討論会参加

15日-16日:G20財務相・中銀総裁会合



●欧州

12日:独ZEW調査、ビルロワ・ドガロー仏中銀総裁演説

13日:仏、独CPI、ユーロ圏鉱工業生産

14日:センテノ・ポルトガル中銀総裁講演

16日:欧州中央銀行(ECB)専務理事兼首席エコノミストのフィリップ・レーン氏が経済、インフレに関し講演



●英国

11日:英中銀、ベイリー総裁が財務省委に参加

13日:GDP



●日本

11日:参院選大勢判明、黒田日銀総裁講演

12日:PPI

14日:鉱工業生産、設備稼働率



●中国

15日:第2四半期GDP、小売売上高、鉱工業生産



●カナダ

13日:カナダ中銀金融政策決定会合、マクレム総裁会見



●ニュージーランド

13日:NZ準備銀金融政策決定会合