短期金融市場では6月の消費者物価指数(CPI)が予想外に伸びが拡大し、41年ぶり最大の伸びとなったため、連邦準備制度理事会(FRB)が7月連邦公開市場委員会(FOMC)で1%の追加利上げに踏み切ることを織り込み始めた。



しかし、FRB高官は依然0.75%の利上げを支持している。FOMCの中でもタカ派として知られるウォラー理事は6月CPI統計に「かなり失望」としながらも、「7月FOMCでは0.75%の利上げが自分の基本シナリオ」と確認した。金融政策には引き締めが必要で、7月以降も追加利上げが必要との考え。0.75%は依然かなり大幅な利上げであることを強調した。また、1つの経済指標をもとに即断したくないとし、市場の1%利上げの憶測が時期尚早だとの考えを示した。ただ、今後発表が予定されている小売売上高や住宅データが強かった場合、1%の利上げ支持に傾斜する可能性もあると、完全に除外していない。



1%利上げに慎重な同理事の発言を受けて短期金融市場での7月FOMCでの1%利上げ確率は85%から45%に低下。利回り曲線もスティープニング。3カ月物と10年債の利回り差は45.13BPから56.64BPへ拡大した。



また、2022年のFOMC投票権を有し、FOMCの中でも最も早い時期に利上げの必要性を主張していたセントルイス連銀のブラード総裁も7月FOMCで0.75%の利上げが好ましいとしている。同総裁は今後は、ディスインフレの過程が始まると見ていることを明らかにした。供給の要因が後退するほか、FRBが急速に金融引き締めに転じたためインフレの下方圧力になると説明した。6カ月間で、270万人の雇用創出するリセッションは見たことがないと、景気後退入りを回避できると見ている。



6月FOMCで、通常はタカ派として知られるカンザスシティー地区連銀のジョージ総裁は、速やかに金融政策を正常化することには同意するが、FRBの動きが市場に浸透するには時間がかかることを考慮すると、段階的な利上げが必要と、0.5%の利上げを主張し、0.75%の利上げに反対票を投じた。



実際、FRBの引き締めサイクルが開始し、6月FOMCの0.75%利上げを受けて社債市場などが混乱を見せている。



1%の利上げは選択肢にはあるが、可能性は現在のところ、少ないと見られる。