今週は米国を始め、中国、フランス、ドイツなども消費者物価指数(CPI)の発表を予定しており、注目となる。



米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として特に重要視しているとされている燃料や食料を除いたコアCPIは、前年比で6月からさらに伸びの拡大が予想されている。3月以降伸びは少しづつ縮小しているものの未だ6%台で、目標とする2%には程遠く、FRBの来年まで利上げを継続する計画を正当化すると見られる。米国では4-6月期非農業部門労働生産性・単位人件費速報にも注目。4-6月期非農業部門労働生産性はグリーンスパン前FRB議長が景気動向を判断する上で重要視していた指標。4-6月期非農業部門労働生産性は-4.5%と、1-3月期に続きマイナスながら、改善する見込み。単位人件費の伸びも1-3月期の+12.6%に続き+9.8%と高い伸びが予想されており、企業の生産性がコスト高で鈍っていることがさらに証明される見込み。



市場の景気後退懸念や来年の利下げの思惑を払しょくすべく、FRB高官は景気よりも、インフレ退治を最優先する方針を再確認。インフレがまだ鈍化の兆しはなく、利上げ打ち止めには程遠いと、来年にかけて利上げを続ける方針を強調した。最新7月雇用統計も失業率が3.5%と予想外に6月3.6%から低下し、パンデミック前の20年2月以降で最低と、50年ぶりの低水準付近を回復。非農業部門雇用者数は前月比+52.8万人と、6月から伸びの縮小予想に反して大幅拡大。2月来で最大となった。6月分は+39.8万人と、+37.2万人から上方修正されたほか、5月、6月の2カ月で2.8万人上方修正された。平均時給は前年比+5.2%と、伸びの鈍化予想に反して6月と同水準を維持。6月分も5.1%から5.2%へ上方修正。賃金インフレの上昇も懸念される。



失業率が50年ぶりの低水準で雇用者数が50万人超増の強い労働市場のもと、景気後退入りの可能性は少ない。パウエル議長はじめ、FRB高官が主張していた労働市場が依然力強く、ひっ迫しており、米国経済が大幅利上げに耐え得るに十分な程強いとの見解を、最新雇用統計の結果は裏付けた形。



4-6月期国内総生産(GDP)が1-3月期に続き2四半期連続でマイナス成長となったためテクニカルリセッション入り。ただ、FRB高官は現在景気後退ではない、と主張し、利上げ見通しも修正していない。2022年のFOMC投票権を有するセントルイス連銀のブラード総裁は、年内に政策金利を3.75%から4%まで引き上げるべきで、物価を下げるため、金利は長期にわたり、高い水準が必要となる可能性があると主張した。同じく本年の投票権を有しているクリーブランド連銀のメスター総裁も23年半ばまで利上げを続け4%を小幅上回る金利にすべきとの見解を示している。メスター総裁は9月FOMCで0.75%の利上げを3会合連続で実施することも理にかなわないことではない、と除外していない。強い雇用統計を受けて今後、1%の利上げ観測も再浮上した。FRB高官は、軟着陸が可能で、深刻な景気後退を伴わず、利上げでインフレを目標値に戻すことが可能だと、主張しておりドル買いは継続か。



■今週の主な注目イベント



●米国

9日:4-6月期非農業部門労働生産性・単位人件費速報

10日:7月消費者物価指数(CPI)、6月卸売在庫確定、エバンス・シカゴ連銀総裁が経済・金融政策を協議、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁はスタグフレーションを巡る討論会参加

11日:7月生産者物価指数(PPI)、週次新規失業保険申請件数、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁がインタビュー

12日:7月輸入物価指数、8月ミシガン大消費者信頼感指数速報値



●欧州

10日:独、伊CPI

12日:ユーロ圏鉱工業生産、仏CPI



●中国

10日:CPI、PPI



●日本

10日:PPI