今週は9月連邦公開市場委員会(FOMC)を約2週間弱後に控えパウエル議長が8日に金融政策を巡る討論会に参加予定であるほか7日には米連邦準備制度理事会(FRB)が地区連銀景況報告(ベージュブック)を公表予定で注目材料となる。さらに、欧州中央銀行(ECB)は定例理事会で0.75%の利上げを実施する公算。短期金融市場はECBが10月までに125ベーシスポイント利上げすることをすでに織り込んだ。3日に予定されていたロシアガスプロムのノルドストリーム再開が危うくなった。ロシアは、燃料政策を西側諸国の対ロ制裁策への報復制裁の一環として利用しており、欧州諸国経済は燃料危機の深刻化リスクに引き続き直面するため、景気への懸念も存続。カナダ中銀の0.75%の利上げが織り込まれた。



英国では5日に新首相が決定する。新首相はエネルギ—問題や高インフレ、労働者のストライキなどの難題に直面することになる。英国の光熱費は80%跳ね上がった。ウクライナ戦争の影響を特に受ける欧州では燃料危機が景気に影響すると、中銀のインフレ対処の利上げにもかかわらずユーロやポンド売りが続く。



世界のインフレ高進の主因となっている原油価格の行方を探る上では、石油輸出機構(OPEC)プラスに注目。サウジアラビアは減産の可能性を示唆しており、減産が決定されれば原油価格が再び上昇する可能性がある。高インフレ問題の解決もFRBが危惧しているとおり長引くリスクが警戒される。



パウエル議長はジャクソンホール会合で「物価安定には時間がかかり力強い行動が必要」と積極的な利上げを続ける想定以上のタカ派姿勢を表明。議長発言に続いて、本年のFOMC投票権を持つクリーブランド連銀のメスター総裁が2023年に政策金利を4%以上に引き上げ当分その水準で据え置くべきとタカ派姿勢を表明するなど、多くのFRB高官が長期にわたる金融引き締めが必要と2023年の市場の利下げ予想を払しょくするに務めた。議長はイベントでも来年も引き続き利上げを続け、政策金利を高い水準で据え置く必要性を強調すると見られ、ドルの上昇基調を支援すると見る。地区連銀景況報告(ベージュブック)は次回9月FOMCでの金融政策決定において、材料となる。特に雇用や物価関連のコメントに注目。もし、経済活動が順調に拡大し、さらに、労働市場のひっ迫状況が継続していることや物価高が指摘された場合、9月の0.75%の利上げ観測が強まる。



米8月雇用統計は、雇用の伸びが鈍化も健全なペースでの伸びで、賃金の伸びも安定したため、ハードランディング回避が可能との期待が広がった。また、9月FOMCでの0.75%の利上げ観測も後退。次の焦点は13日発表予定のCPIとなる。



■今週の主な注目イベント



●5日:OPECプラス



●米国

5日:レーバーデーの祭日

6日:8月サービス・総合PMI確定値、8月ISM非製造業景気指数

7日:7月貿易収支、地区連銀景況報告(ベージュブック)、バーキン米リッチモンド連銀総裁講演、メスター・クリーブランド連銀総裁講演、ブレナードFRB副議長経済見通しに関し討論、バー副議長講演

8日:新規失業保険申請件数、パウエルFRB議長が金融政策を巡る討論会に参加、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁イベント参加

9日:7月卸売売上高、ウォラーFRB理事が経済見通しに関し討論、ジョージ米カンザスシティー地区連銀総裁、エバンス・シカゴ連銀総裁講演



●欧州

5日:ユーロ圏小売り、サービスPMI

6日:製造業受注

7日:ユーロ圏GDP

8日:定例理事会、ラガルド総裁講演

9日:EUエネルギー相が臨時会合、市場介入を巡る協議



●カナダ

7日:カナダ中銀金融政策決定会合



●中国

5日:財新サービスPMI

9日:PPI



●日本

5日:じぶん銀PMI

8日:GDP

9日:CPI



●英

5日:新首相発表、マン英中銀委員講演

6日:ジョンソン首相退任、新首相就任

7日:ベイリー英中銀が講演



●豪州

5日:準備銀金融政策決定