パウエルFRB議長や他の連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーは9月FOMCでの利上げ幅はあくまでもデータ次第との姿勢を示した。今のところ発表された米雇用統計では労働市場が依然強いことが確認されたほか、消費者信頼感指数も消費者の需要が依然底堅いことが証明される結果となった。連邦準備制度理事会(FRB)の積極的な利上げや高インフレで経済がすでに景気後退入りしている、または、速やかに景気後退入りするとの一部市場にあった懸念を払しょく。同時に、物価上昇ペースの鈍化も見られ、経済は概ねFRBの望む軌道にある。



NY連銀が7日に発表した8月世界サプライチェーン指数は1.47と、7月の1.75から低下。NY連銀はレポートの中で、「8月の低下はかなり広範に及ぶ。全世界で配送時間の短縮が過去最高のペース」と指摘。前年比でも、依然歴史的にも高水準だが、8月の圧力が緩和したと報告した。サプライチェーン圧力の緩和は今後の物価圧力緩和にもつながる。



米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)は「パウエル議長が、たとえ失業率が上昇したとしても、インフレを制御することを強く公約したためFRBは9月FOMCにおいて3会合連続で75BPの利上げの軌道にあるようだ」、と報じた。WSJ紙は度々、FRBが事前にFOMCの決定方針を間接的に市場に伝達するための手段の一つとして使用しているため、市場の9月FOMCでの75BPの利上げ確率も一段と上昇。ドル指数は一時2002年以降20年ぶり高値を更新した。



FRBが7日に公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)では8月29日までの経済状況を「7月以降の経済活動は横ばい」と、下方修正した。一方で、物価は依然高止まりで上昇基調ながら、12地区のうち、9地区が物価の伸びは弱まったと報告。インフレがFRBの望む正しい方向に進んでいること明らかになった。しかし、ブレイナードFRB副議長は「インフレが低下する自信がつくまで、数カ月を要する」としたほか、時期尚早な利上げ打ち止めを「歴史が警告している」とするなど、ここで、FRBが金融引き締めの手を緩めるとは考えにくく、今後も力強い利上げを継続すると見られる。



パウエルFRB議長は8日にケイトー研究所で、金融政策に関する討論会に参加する予定で、9月FOMCでの利上げ幅を巡る言及に注目が集まる。