米労働省が発表した8月消費者物価指数(CPI)は市場が期待したほど改善せず、逆に圧力が強まった。連邦準備制度理事会(FRB)の想定通り、インフレの長期化が警戒される。8月CPIは前月比+0.1%と、マイナスに改善予想に反し、7月0.0%から伸びが拡大した。前年比では+8.3%と、伸びは7月+8.5%から鈍化し、4月来で最小となったが予想を上回った。FRBがインフレ指標として注目している変動の激しい燃料や食料を除いたコアCPI指数は前月比+0.6%と、予想外に7月+0.3%から伸びが拡大。前年比では+6.3%。伸びは7月+5.9%から予想以上に拡大し、3月来で最大となった。



原油価格が6月に高値を付けたのち、下落基調であるためガソリン価格は‐10.6%と想定通り下落したものの、サービスセクターが上昇。賃貸料、食品、教育費、自動車保険、健康保険料金などの上昇が全体指数を押し上げた。家庭での食品は前年比で+13.5%と1979年来で最大の伸びを記録した。



8月CPI:



エネルギー:前月比−5.0%(7月‐4.6%)、前年比+23.8%


ガソリン価格:−10.6%(−7.6%)、+25.6%

サービス:+0.7%(7月+0.3%)、+6.8%

食品:+0.8%(+1.1%)、+10.9%

居住費:+0.8%(+0.4%)、+7.8%

光熱費:+1.5%(−0.3%)、+17.2%

被服費:+0.2%(−0.1%)、+5.1%

医療費:+0.7%(+0.4%)、+5.4%

教育費:+0.1%(−0.2%)、+0.5%

健康保険料:24.29%(7月20.62%)

航空運賃:前月比‐4.62%、前年比+33.37%(7月‐7.83%、+27.75%)

家庭での食品:+0.7%(+1.3%)、+13.5%



ガソリン価格の下落にもかかわらずCPIが期待通りに改善せず、FRBの主張通りインフレ高進が長期化する可能性が警戒される。短期金融市場では9月連邦公開市場委員会(FOMC)での3会合連続での75BPの利上げを100%織り込んだ。100BPの利上げ確率も上昇。また、11月FOMCでの利上げ確率も上昇した。FRBの政策金利は来年の第1四半期に4.25%近くまで上昇し、その後、徐々に低下する軌道が織り込まれつつある。



米国債相場は大幅安。10年債利回りは3.456%まで上昇し、6月来で最高。2年債利回りは2007年来で最高となった。30年債利回りも2014年来で最高となっており、今後、再び住宅ローン金利の上昇が、住宅市場をさらに損なう可能性も成長リスクになる。同時に、指標は遅行指標となるためFRBの行き過ぎた利上げにも警戒され、景気後退リスクも強まりつつある。