米連邦準備制度理事会(FRB)は先週開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で4会合連続での0.75%の利上げ決定と同時に声明では今後、利上げ減速の選択肢も示唆した。同時に、パウエル議長がインフレ抑制には程遠く、依然利上げが必要であるとの考えを示した。過剰な利上げによるコストは、消極的な利上げによるコストを下回ると考えており、インフレに鈍化がみられるまでは積極的な利上げを続ける公約をした。さらに、議長がピーク金利が従来の想定を上回るとしたため短期金融市場では来年のピーク金利5%以上を織り込み始めた。今週発表される10月消費者物価指数(CPI)の結果がFRBの断固とした利上げを後押しすると見られている。



特にFRBがインフレ指標として注目している10月CPIの食品・エネルギー除いたコア指数は6.5%と、9月から伸びの小幅鈍化が予想されているものの、依然FRBのインフレ目標である2%を大幅に上回る公算で、FRBの利上げ継続を正当化する見通し。



サンフランシスコ連銀調査によると、政策金利を3-3.25%に引き上げた9月時点での金融引き締めの状態がすでに政策金利5.25%に相当するとの結果。3月からの利上げに加えて、6月以降から保有している資産縮小も利上げと同様の引締め効果となるため。加えて、11月には0.75%追加利上げで政策金利は3.75%-4.0%と、一段と引き締まった。



FRBの利上げ継続の思惑が強まる一方で、ペンシルバニア大ウォートンスクールのシーゲル教授は、金利の急伸で住宅市場が悪化、FRBが将来の利上げ計画を見直すことになるだろうと指摘している。パウエル議長下のFOMCが間違った指標、遅行の住宅やインフレに焦点をあて過ぎており、住宅価格や賃貸が著しく低下していることを見過ごしていると批判。住宅はコアインフレの4割を占める。先月の全米中間住宅価格は今年6月の44.9万ドルをピークに5%下落。売却にも時間がかかり市場の弱さを反映している。さらに、中古車市場もピークをつけた兆候が見られている。中古車価格は20年7月から22年7月までに45%上昇した。そののち、今年7月以降、4%下落している。米住宅市場の弱まりや中古車市場のピークアウトでインフレもピークに達した場合、FRBの利上げ減速を強いる可能性がありドルの上昇抑制要因になる。