NYの視点:インフレ収束感も、FRBの利上げペース減速観測強まる
CPIの大半を占める家賃などの伸びは依然高水準だが、特に中古車やヘルスケアコストの低下が顕著でインフレを押し下げ。食品価格の上昇も一段落したことも物価の抑制を手伝った。
●米10月CPI
中古車:前月比-2.4%(前年比+2.0%)
アパレル:-0.7%(+4.1%)
家賃等:+0.8%(+6.9%)
食品:+0.6%(+10.9%)
ガソリン:+4.0%(+17.5%)
インフレがピークに達したとの見解が強まっただけでなく、ウォートン・スクール・オブ・ビジネスのジェラミー・シーゲル教授は「インフレはすでに終息」としており、12月FOMCでの25BPの利上げの可能性を指摘。同教授は度々FRBが遅行指標に焦点をあて過ぎており、過剰な利上げに繋がると警告。デイリー米サンフランシスコ連銀総裁は利上げ減速を支持しているものの同時に、7.7%のインフレは勝利には程遠いとし、利上げ継続の必要性を示した。
米短期金融市場ではこの引き締めサイクルでの最高金利が現状で4.9%を織り込んでおり、CPI発表前の5.1%前後から低下した。