米4月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.4%と予想通り、伸びが3月+0.1%から拡大した。前年比では+4.9%と、予想外に3月+5.0%から伸びが縮小し21年4月来で最小の伸びとなった。10カ月連続で伸びが鈍化。燃料、ガソリン価格の下落がCPIを押し下げた。エネルギー項目は前年比‐5.1%となったほか、ガソリンは同比−12.2%。度々注目される中古車価格は昨年6月来で初めて上昇。供給不足が影響した。

連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注視している燃料や食品を除いたCPIコア指数は前月比+0.4%と、予想や3月分と一致。前年比では+5.5%と、3月+5.6%から予想通り伸びが鈍化した。ただ、依然FRBの目標である2%を上回ったまま。鈍化ペースも鈍い。賃貸などのコストも依然高止まりしている。



■米4月消費者物価指数(CPI):前月比+0.4%、前年比+4.9%

コアCPI:前月比+0.4%、前年比+5.5%

エネルギー:前月比+0.6%、前年比−5.1%

ガソリン:+3.0%、−12.2%

航空運賃:−2.6%、‐0.9%

新車:−0.2%、+5.4%

中古車:+4.4%、−6.6%

通信:−0.1%

医療費:0(−0.3%)

シェルター:+0.4%、+8.1%

食品:前月比0、前年比+7.7%

シェルター除コアCPI:+0.4%(1年前+3.68%、3年前+14.78%)



FRBが特に注視している住宅を除いたコアサービスCPIの前年比での伸びは昨年5月以降ほぼ1年ぶりの低水準に改善したことはFRBが6月に利上げを停止する余地を広げる。物価の伸びは鈍化したものの賃金の伸びを25カ月連続で上回ったまま。高インフレが家計を引き続き圧迫している証拠となった。