今週は、米国の8月雇用統計や7月コア価格指数、4-6月期GDP改定値、8月ISM製造業景況指数、欧州の消費者物価指数(CPI)、また、中国PMIが注目材料となる。



PMIの結果などから欧州の景気の急速な鈍化が明らかになりつつあり、欧州中央銀行(ECB)当局者が成長見通しを懸念し、利上げ停止に向けた勢いが拡大していると報じられた。欧州のインフレ指標で鈍化基調が確認されると追加利上げ観測が一段と後退し、さらなるユーロ売りにつながる可能性がある。ECBはまた、前回会合の議事要旨を公表する予定で注目される。



連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はジャクソンホール会合でインフレ改善もまだ始まったばかりで、道のりは長く適切であれば追加利上げを実施する姿勢を再表明した。FRBは9月FOMCで利上げを見送るが、11月に0.25%の利上げを再開するとの見通しが一段と強まった。



6月JOLT求人件数は2021年以来の低水準になるなど、一部では雇用ひっ迫緩和の兆候も見られる。一方で、週次新規失業保険申請件数は依然低水準を維持。8月雇用統計でも失業率が3.5%と50年ぶりの低水準付近で推移する見込みとなっている。非農業部門雇用者数は16.8万人増と、7月からは伸びの鈍化が予想されており、9月の政策金利据え置きを正当化する可能性がある。同時に、FRBがインフレ指標として注視している7月のコア価格指数は前年比で伸びが拡大すると予想されており、もし、予想通りにインフレ鈍化が進まないと、年内の追加利上げを正当化する。



また、米中関係修復を目指し米国のレイモンド商務長官が訪中を予定している。



■今週の主な注目イベント

●米国

28日:8月ダラス連銀製造業活動、バーFRB副議長が金融サービスに関し講演

29日:6月FHFA住宅価格指数、6月S&P20都市価格指数、7月JOLT求人、8月消費者信頼感指数、バーFRB副議長が金融サービスに関し講演

30日:8月ADP雇用統計、7月前渡商品貿易収支、4-6月期GDP改定値、7月中古住宅販売仮契約

31日:8月週次新規失業保険申請件数、7月PCEコア価格指数、8月シカゴPMIボスティック・アトランタ連銀総裁講演、コリンズ米ボストン連銀総裁がイベントで講演

9月1日:8月雇用統計、8月製造業PMI確定値、8月ISM製造業景況指数、

ボスティック・アトランタ連銀総裁講演、メスター米クリーブランド連銀総裁



●中国

31日:製造業・非製造業PMI

9月1日:中国財新製造業PMI



●欧州

30日:ユーロ圏経済信頼感、消費者信頼感、独CPI

31日:ユーロ圏CPI、失業率、仏CPI、GDP、独失業率、ECB理事会議事要旨

デギンドスECB副総裁講演

9月1日:ユーロ圏、仏、独、製造業PMI



●日本

29日:失業率

31日:鉱工業生産、小売売上高



●英

29日:英中銀、金融政策を巡り会見

31日:英中銀、チーフエコノミスト、ピル氏講演