中国や欧州の景気減速の影響を受けて米国経済が来年深刻な景気後退入りするとの警戒感が強まる中、ゴールドマンサックスのチーフエコノミスト、ハチアス氏は米国経済を懸念していない。経済の成長を巡る最大のマイナス要因はすでに織り込まれたとの見解。容認出来ない程の水準にまで達したインフレも23年度は経済にほぼ影響を与えずに徐々に改善基調にある。22年に平均6%近くに上昇したインフレ率は3%前後に低下しており、歓迎すべき基調だと指摘した。景気後退の確率は限定的。主要各国中銀の利上げはほぼ終了した可能性が強いことを楽観的な見通しの理由のひとつとして挙げた。24年の米国経済の向かい風として、世帯の実質賃金の伸びが強く、金融や財政引き締めによる影響は限られ、さらに、製造業活動の回復を挙げた。24年の利下げは予想していない。



投資会社シタデル社のグリフィン氏は、ウクライナ露戦争、イスラエル・ハマス戦争、グローバル化の後退、米国の連邦支出拡大でインフレが今後数十年にわたり続くと警告している。



米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は9日の講演でインフレの改善が続くかどうかは確かではなく、インフレ2%達成への道のりを確信できないと、2%目標の達成が長い道のりである、と繰り返した。また、FRBは適切であれば追加引き締めも躊躇しないとした。短期金融市場での12月の利上げ確率は9.6%から14.5%まで上昇。来年の利下げ時期も6月から7月に先送りされた。景気や金利見通しは依然まちまち。ただ、他国に比べ米国経済は強く、ドルが引き続き底堅く推移する可能性がある。