米労働省発表の先週分新規失業保険申請件数(11/11)は前週比1.3万件増の+23.1万件と前回21.8万件から予想以上に増加し8月中旬来で最高となった。失業保険継続受給者数(11/4)は186.5万人と、前回183.3万人から予想以上に増加し、21年11月以降ほぼ2年ぶり最高となった。8週連増の増加。



労働市場は底堅く消費や経済を支えてきた。しかし、企業は徐々に採用ペースを減速。失業率も下げ止まった。賃金の伸びも一服し、年末のホリデーシーズンを控え消費の減速が一部で確認されている。



住宅ローン金利上昇にもかかわらず、強い需要に支えられてきた住宅市場にも鈍化の兆しが見られる。米11月NAHB住宅市場指数は34と、予想外に昨年12月来で最低に落ち込んだ。5月から8月にかけて、住宅建設企業の楽観的見方を示す50を回復後、再び3カ月連続で50割れ。主要項目である一戸建て販売は1月来で最低。販売見通しも39へ、44から下落した。購買見込み客足指数も21と、昨年12月来で最低となった。



11月フィラデルフィア連銀製造業の仕入れ価格は14.8と10月23.1から低下し7月来で最低となった。6か月平均の17.4を下回った。6か月先の予想でも仕入れ価格は37.9と、48.5から低下し、6か月平均の40.8を下回った。 販売価格は14.8と、10月14.6から小幅上昇。6か月平均の13.6を上回った。6か月先の予想では34.5と、46.9から低下、6か月平均は上回った。



インフレ鈍化や労働市場のひっ迫緩和、住宅市場の過熱後退の兆候は連邦準備制度理事会(FRB)の政策が効果を表した証拠とも言える。市場では来年の利下げを1%織り込む中、FRBは依然慎重。米クリーブランド連銀のメスター総裁は、インフレが中銀の目標2%を完全に回復するには時間を要するとし、インフレ鈍化のさらなる証拠を見たいと述べた。また、クック米FRB理事も「経済活動の急激な減速リスクに対応する」「引き締まった金融状況が経済の一部を損傷している兆候が見られる」としながらも、「エネルギー価格が急激に上昇するリスクは顕著」としたほか、「需要には引き続き勢いがあり、インフレの鈍化を遅らせる可能性」を指摘しており、中立な姿勢を明らかにした。