今日の欧米外為市場では、ドル・円は弱含む展開を想定する。欧州中央銀行(ECB)の金融緩和の縮小観測が高まるなか、「ロシアゲート」疑惑再燃でユーロ・ドルの堅調地合い継続が見込まれており、ドル・円の値動きに影響を与えそうだ。



前日のECB理事会後、ドラギ総裁は定例記者会見で資産買い入れプログラムの変更を秋にも協議する意向を表明。それを受け、ECBによる金融緩和縮小への思惑からユーロ買いが強まった。ユーロ・ドルは2015年8月以来の高値圏に上昇した。ある市場筋は、本日のアジア市場でも「週末による利益確定売りなどはそれほど目立っていない」とユーロの地合いの強さを指摘する。前日発表された米国の7月フィラデルフィア連銀製造業指数が低調な内容となり、28日発表の4-6月国内総生産(GDP)の下振れへの警戒感もある。このため、連邦準備制度理事会(FRB)による年内利上げ観測がさらに後退し、今晩もユーロ選好地合いが続く見通し。



また、「ロシアゲート」疑惑の再燃もドルを一段押し下げる材料となりそうだ。報道によると、先の大統領選でトランプ陣営とロシアとの関係を捜査中のモラー特別検察官は、捜査対象を拡大する方向という。米医療保険制度改革(オバマケア)代替法案の成立が困難となり、トランプ大統領の求心力が低下するなか、今後の捜査によっては弾劾・罷免リスクにさらされる可能性からドル売りにつながろう。このため、ユーロ買い・ドル売りが強まり、ドル売り・円買いに波及しよう。ただし、ドル・円に関しては、前日の日銀による大規模な金融緩和維持の方針で引き続き円売り基調が見込まれるため、極端な下落は想定しにくい。(吉池 威)



【今日の欧米市場の予定】

・17:00 欧州中央銀行(ECB)予想専門家調査

・17:30 英・6月公共部門純借入(銀行部門除く)(予想:+49億ポンド、5月:+67億ポンド)

・21:30 カナダ・5月小売売上高(前月比予想:+0.3%、4月:+0.8%)

・21:30 カナダ・6月消費者物価指数(前年比予想:+1.1%、5月:+1.3%)