先週の日経平均はもみ合いとなった。連休明けの東京市場は下落してのスタート、米長期金利の低下を映した為替のドル安円高が重しとなった。その後は、日欧の金融政策の行方を見極めたいとして、2万円レベルで膠着感が広がったが、20日の昼休み中に日銀が金融政策の現状維持を決めるとともに物価目標を先送りしたことが伝わり、為替相場の円安反転とともにやや下げ渋る展開となる。注目されたECBのドラギ総裁の発言は、テーパリングのスケジュール感が定めにくいものとなり、週末の東京市場も方向感の乏しい動きが続いた。先物の商いが活発化しない中で、指数は動意に欠ける状況となっているが、決算発表本格化が接近するとともに個別物色の動きは活発化する兆しも見え始めている。週末には予想以上の好決算を発表した安川電機<6506>が急伸し、他の設備投資関連銘柄にも幅広く波及効果を与える形となっている。



今週は国内でも本格化する4-6月期の決算発表を含めて、注目イベントが多く予定されている。まずは、25-26日に開催されるFOMCに関心が集まろう。政策変更がない限りは、経済・物価見通しやイエレンFRB議長の記者会見はなく、焦点は声明文の変更となる。バランスシートの正常化を決定する、あるいは匂わす内容となれば、足元で消費者物価指数や小売売上高の下振れなどが続いているだけに、米国市場はマイナスに受け止められる可能性も高いだろう。その場合の東京市場は、米国株安というネガティブ要因とドル高円安というポジティブ要因のはざまに立ち、引き続き大きな方向感が定めにくい展開となっていこう。また、「ロシアゲート疑惑」について、24日にはトランプ大統領の長女の夫であるクシュナー上級顧問が、26日には長男のドナルド・トランプ・ジュニア氏とマナフォート元選挙対策会長がそれぞれ証言をする予定となっている。議会証言の内容次第では、一段と米国政治の停滞に対する警戒感が強まることにもなろう。



米国FANG銘柄の決算なども引き続き注目だろう。先週はネットフリックスの好決算がナスダック指数をけん引する形となったが、24日にアルファベット、26日にフェイスブックの決算発表が予定されている。引き続き米国ハイテク株をけん引する流れになる可能性も高く、その際には、日本のIT関連株などにも好影響を与えることとなろう。キャタピラーやシーゲイト、コーニング、ボーイング、インテルなど、日本企業に影響を与える主要銘柄の決算発表も極めて多く予定されている。また、国内でも4-6月期決算の第1のピークを迎える。25日には信越化学<4063>、26日には日本電産<6594>、任天堂<7974>、27日には花王<4452>、富士通<6702>、日産<7201>、キヤノン<7751>、東京エレク<8035>、ドコモ<9437>、28日には武田薬<4502>、アステラス<4503>、新日鐵住金<5401>、コマツ<6301>、日立<6501>、ファナック<6954>、野村<8604>など、ハイテクを中心に主要処が決算を発表する。



今週前半はFOMCを控えて方向感は乏しいと予想されるが、イエレン議長の発言が予定されていないことから、FOMC後も大きな変化が生じる可能性は低いとみられる。トランプ政権の政策の先行きに対する不透明感、欧米でのテーパリングスケジュールの不透明感などは、当面積極的な資金流入を抑制させるものになりそうだ。こうした状況下では、決算発表本格化で一段と個別物色中心の展開となる可能性が非常に高いだろう。比較的、4-6月期決算は良好なものが想定されていたが、米国でのネットフリックスや日本の安川電機などはこうした期待をさらに上回るものといえる。今後もサプライズ決算は散見されていくものと考えられ、とりわけ、設備投資関連やIT関連などが他の内需業種を上回るパフォーマンスを上げていく公算が大きいと判断する。本日のFA関連銘柄の動向などを見る限り、決算発表前の先回りの動きなどは目先強まりやすくなっている印象でもある。なお、こうした企業群の想定以上の好決算は、少なくても全体相場の下支えにはつながろう。