今日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を想定したい。米連邦準備制度理事会(FRB)によるハト派寄りのスタンスや米政治リスクを背景に、ドル売りは継続の見通し。ただ、市場が大方想定するレンジ下限で、値ごろ感による買い戻しが観測される。

FRBは25-26日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の据え置きを決めた。注目されていたバランスシート縮小の開始時期については「比較的早期に」と表現され、9月着手と見込んでいた投資家はハト派寄りの見解と受け止めたようだ。これによりドル売りに振れやすい地合いが強まり、本日のアジア市場では一時111円を割り込んだ。

また、引き続き米国の政治情勢もドル売り材料となりやすい。米上院は26日、成立後2年間の移行期間中に医療保険制度改革(オバマケア)を見直す法案を反対多数で否決。今後の議会運営の不透明感が増し、トランプ政権による経済政策の実現が危ぶまれていることも、市場センチメントを悪化させる要因となろう。

ただ、ドル・円は市場の想定レンジ110-115円の下限に接近していることから、参加者からは値ごろ感も指摘されている。今晩は21時半発表の米国の新規失業保険申請件数から雇用情勢の悪化が予想される一方、6月耐久財受注速報値は3カ月ぶりの上昇が見込まれ、予想通りの内容であればドル買い戻しの手がかりとなろう。

なお、FOMC後の声明に関し、FRBはインフレについて慎重な見解だったものの、雇用の伸びは堅調としたほか、米国経済は目先も力強さを増すとの強気な見方も示している。投資家はバランスシート縮小時期の表現に反応したが、目先は見直される可能性もあろう。前日の声明発表後のドル売りは長続きしないとみる。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・6月マネーサプライM3(前年比予想:+5.0%、5月:+5.0%)
・18:30 南ア・6月生産者物価指数(前年比予想:+4.4%、5月:+4.8%)
・21:30 米・6月耐久財受注速報値(前月比予想:+3.7%、5月:-0.8%)
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:24.0万件、前回:23.3万件)
・21:30 米・6月卸売在庫(前月比予想:+0.3%、5月:+0.4%)
・21:30 米・6月シカゴ連銀全米活動指数(予想:0.35、5月:-0.26)
・02:00 米財務省7年債入札(280億ドル)