先週のFOMC声明では雇用情勢の堅調さが強調された一方で、バランスシート縮小に関する新たな情報に乏しく、縮小開始が後ずれするとの思惑が広がった。利上げ方針に変更は見られないが、経済指標の良し悪しによってバランスシートの縮小開始時期を占う展開となりそうだ。また、共和党上院で医療保険改革法(オバマケア)の一部撤廃法案が否決され、当面オバマケアの撤回は難しい状況となった。米議会は税制改革法案の議論に移るものと思われる。対ロ制裁法案が両院で可決されたことを受けて、ロシアも外交官を追放する報復措置に転じるなど政治リスクも高まっており、今後の動向を注視したい。



企業決算では、製薬のファイザー(1日)、通信大手のスプリント(1日)、携帯端末のアップル(1日)、メディア大手タイムワーナー(2日)、電気自動車のテスラ・モーターズ(2日)、製薬のアラガン(3日)、ファストフードのヤム・ブランズ(3日)、口コミサイトのイェルプ(3日)などの発表が予定されている。アップルは今年発売から10周年目となる次期iPhoneに関する追加情報に注目が集まりそうだ。特に発売時期が10月以降に遅れるとの一部報道もあり、7-9月期の業績見通しに次期iPhoneの9月中の売り上げが含まれるかどうかが焦点になりそうだ。また、半導体のクアルコムとのライセンス料を巡る法廷闘争でコスト増加の懸念があることにも注意が必要だ。



28日時点のファクトセット社の集計によるとS&P500構成銘柄の57%が決算発表を終了し、73%が利益、73%が売上高のアナリスト予想平均を上回った。全体では、先月末時点で6.5%の増益が予想されていたが、9.1%の増益見通しへと改善した。最終的には二桁増益となる可能性も十分にある。ヘルスケアやハイテクセクターの成長が要因で、製薬のギリアド・サイエンシズやメルク、SNSのフェイスブックや検索大手のアルファベット、半導体のインテルの好決算が寄与した。



経済指標では、7月シカゴ購買部協会景気指数(31日)、7月ISM製造業景況指数(1日)、6月個人所得・支出(1日)、6月建設支出(1日)、7月ADP雇用統計(2日)、7月ISM非製造業景況指数(3日)、6月製造業受注(3日)、7月雇用統計(4日)の発表が予定されている。雇用統計では、非農業雇用者数が18万人増、失業率は4.3%増が予想されている。市場を大幅に下回らなければ、9月の利上げ見通しが高まるだろう。



(Horiko Capital Management LLC)