今日の欧米外為市場では、ドル・円は下値を模索する展開を予想する。米国の経済指標の鈍化が見込まれ、成長持続への懸念が強まれば、連邦準備制度理事会(FRB)の年内追加利上げ観測の後退や、株価の調整につながる見通し。また、引き続きトランプ政権の先行き不透明感もドルの押し下げ要因となりそうだ。



今晩は米国の6月コアPCE価格指数(21時半)や7月ISM製造業景況指数(23時)などの経済指標が材料視される。FRBの金融政策の判断材料でもあるコアPCE価格指数は2月に前年比+1.8%と目標の+2.0%に接近したが、その後は伸びが鈍化する傾向となり、5月は+1.4%にとどまった。6月の実績がさらに低調となれば、FRBの金融正常化方針への懐疑的な見方が強まるだろう。また、7月ISM製造業景況指数は低下が織り込まれているものの、米経済の成長持続への懸念が広がれば、株価の調整売りが予想され、長期金利が弱含み、ドル下げにつながろう。



米政治情勢の混乱も、引き続きドルを押し下げる要因となる見通し。トランプ大統領は7月31日、スカラムチ広報部長をわずか10日で解任。政権内ではスパイサー報道官が辞任したばかりで、ほかにも「ロシアゲート」疑惑をめぐるセッションズ司法長官の解任や、外交方針の食い違いなどによるティラーソン国務長官の辞任のうわさがくすぶっている。こうした安定を欠く政権運営は市場の不安材料となっており、ドルの下落局面では売りを加速させているようだ。



一方、米経済指標に先立って発表されるユーロ圏の4-6月期域内総生産(GDP)速報値(18時)は伸び拡大が見込まれている。予想通り堅調な内容となれば、欧州中央銀行(ECB)の緩和縮小観測を背景としたユーロ買いが強まり、ユーロ・ドルは1.20ドルが射程圏内に入るだろう。ドル・円はその影響もあり、節目の110円を割り込む可能性がある。110円の水準は市場の大方の想定レンジの下限でオプション絡みの売り買いの激しい攻防が予想される。下抜けた場合にはストップロスを巻き込んで下げが加速するとみられ、109円台で下値を模索する展開となりそうだ。(吉池 威)



【今日の欧米市場の予定】

・17:00 ユーロ圏・7月製造業PMI改定値(予想:56.8、速報値:56.8)

・17:30 英・7月製造業PMI(予想:54.5、6月:54.3)

・18:00 ユーロ圏・4-6月期GDP速報値(前年比予想:+2.1%、1-3月期:+1.9%)

・21:30 米・6月個人所得(前月比予想:+0.4%、5月:+0.4%)

・21:30 米・6月個人消費支出(前月比予想:+0.1%、5月:+0.1%)

・21:30 米・6月コアPCE価格指数(前年比予想:+1.4%、5月:+1.4%)

・22:45 米・7月製造業PMI改定値(予想:53.2、速報値:53.2)

・23:00 米・7月ISM製造業景況指数(予想:56.5、6月:57.8)

・23:00 米・6月建設支出(前月比予想:+0.4%、5月:0.0%)