今日の欧米外為市場では、ドル・円は売り継続の展開を予想する。今晩発表の米国の7月雇用統計が低調な内容となる可能性から、連邦準備制度理事会(FRB)の年内追加利上げ観測はさらに後退しそうだ。また、トランプ政権の先行き不透明感もドルを押し下げる手がかりとなりそうだ。



前日発表された米国の7月ISM非製造業景況指数(総合)は53.9と、好不況の境目である50は上回った。ただ、予想(56.9)と6月(57.4)を下回り、昨年8月以来、11カ月ぶりの低水準に沈んだことが嫌気された。また、雇用指数が53.6と予想(56.5)や6月(55.8)からの下振れがクローズアップされ、今晩21時半発表の7月雇用統計は低調な内容になるとの見方が広がっている。



雇用統計は、失業率4.3%(前回4.4%)、非農業部門雇用者数は前月比+18.0万人(同+22.2万人)、平均時給は前年比+2.4%(同+2.5%)と予想される。市場心理が悪化するなか、ネガティブな内容に反応する可能性があろう。失業率は前回から改善すると見込まれる反面、足元はインフレ関連指標がより注目されており、鈍化予想の平均時給が材料視されよう。



一方、報道によると「ロシアゲート」疑惑を捜査中のモラー特別検察官は、ワシントンで大陪審を選出。検察当局がこの問題に関しさらに追及する姿勢をみせたことで、トランプ大統領の弾劾・罷免への思惑からドル売りが強まった。米議会からはトランプ政権のモラー氏解任を阻止する動きもあり、目先も政治の不透明感がドルを一層買いづらくさせる要因となりそうだ。



ドル・円は、大方の市場関係者が想定する110-115円のレンジ下限を割り込む場面が足元ではたびたびみられ、一段のドル安・円高に警戒感もある。ただ、次回の連邦公開市場委員会(FOMC)開催は1カ月以上も先で、今晩の雇用統計はFRBによる政策決定の決め手にはなりにくい。指標が低調でも株価や金利の反応が限定的であれば、ドル・円の大幅な下落は回避されるだろう。(吉池 威)



【今日の欧米市場の予定】

・21:30 米・7月非農業部門雇用者数(予想:+18.0万人、6月:+22.2万人)

・21:30 米・7月失業率(予想:4.3%、6月:4.4%)

・21:30 米・7月平均時給(前年比予想:+2.4%、6月:+2.5%)

・21:30 米・6月貿易収支(予想:-445億ドル、5月:-465億ドル)

・21:30 カナダ・7月失業率(予想:6.5%、6月:6.5%)

・21:30 カナダ・6月貿易収支(予想:-12.5億加ドル、5月:-10.9億加ドル)