先週の雇用統計は好調な結果となったものの、FF金利の先物取引から算出される利上げ確率は9月まで6%、11月まで10%、12月まで39%、16年3月まで55%(4日時点)と年内利上げの可能性は織り込まれておらず、連邦準備制度理事会(FRB)の思惑と乖離が生じている。一方で、複数の連銀総裁は9月の連邦公開市場委員会(FOMC)でのバランスシート縮小開始を示唆しており、注目が集まりそうだ。



雇用統計以外の経済指標は強弱入り混じる内容となっているほか、原油相場も再び50ドル付近まで上昇しており、暫くは原油価格の動向や雇用以外の経済指標が注目される展開となるだろう。また9月4日のレイバー・デーの祝日頃まで夏季休暇に入る投資家や市場関係者も多く例年、閑散取引となる時期だが、休暇を前後して一旦ポジションを手仕舞う動きが、相場全体の上値を抑える可能性があることに注意したい。



今週は、百貨店のメーシーズ(10日)、ノードストローム(10日)、コールズ(10日)、JCペニー(11日)など小売を中心に企業決算の発表が控えている。小売以外では高級ホテルのマリオット・インターナショナル(7日)、製薬のバリアント・ファーマシューティカルズ(8日)やマイラン(9日)、アパレルのラルフローレン(8日)、旅行口コミサイトのトリップアドバイザー(8日)、エンターテイメントのウォルト・ディズニー(8日)、メディアの21世紀フォックス(9日)、写真共有アプリを手掛けるスナップ(10日)、半導体のエヌビディア(10日)などの発表が予定されている。先日発表された4-6月期GDP速報値では個人消費が堅調であったことから、小売各社の決算に対する期待は高い。また小売各社が展開している新学期セール「バック・トゥ・スクール」の足元の動向にも注目が集まるだろう。



4日時点のファクトセット社の集計によるとS&P500構成銘柄の84%が決算発表を終了し、72%が利益、70%が売上高のアナリスト予想平均を上回った。全体では、6月末時点で6.4%の増益が予想されていたが、10.1%の増益見通しへと改善した。1-3月期に続き二桁成長となりそうだ。今期はヘルスケア、金融、ハイテクセクターが業績成長を牽引しており、製薬のギリアド・サイエンシズやメルク、医療保険のエトナ、金融大手のJPモルガン、ソフトウェアのマイクロソフト、SNSのフェイスブック、携帯端末のアップルなどが好調だった。



経済指標では、6月卸売在庫(9日)、7月生産者物価指数(PPI)(10日)、7月消費者物価指数(11日)などの発表が予定されている。生産者物価指数や消費者物価指数を通じてインフレ率がFRBの目標値に近付いているのか注目したい。9日には中国の消費者物価指数や生産者物価指数の発表も予定されている。



(Horiko Capital Management LLC)