2017年9月4日、中国の中央銀行である中国人民銀行やその他の政府機関7部署が、仮想通貨を利用したクラウドファンディングの一種であるICO(Initial Coin Offering)による資金調達を違法と判断、即時停止を要求する声明を発表した。中国当局によるICO規制の可能性が高いことは先週から中国各メディアが報道しされていたが、これが現実のものとなった。この声明の後ビットコインをはじめとする仮想通貨市場は下落を見せ、フィスコ<3807>傘下の仮想通貨取引所では(BTC)/日本円(JPY)相場は最大で113%の下落を見せたが、6日時点では回復を見せている。



今後中国国内で実施されているICOは、現在進行中のもの、今後行われる予定だったものを含め全て停止となり、既に終了しているものも含め全内容を調査する予定となるようだ。

さらに、投資家の権利保護を目的に、政府の管轄・管理システムを構築し、取引所は政府に自身の状況報告の義務を負うとしている。この発表後、中国国内のいくつかのICOプラットフォームは業務を停止、資金返還などの対処を行っている。



中国がこのような方策をとった背景には、ICOバブルとも言われるほどの多額の資金流出と思われる。中国における直近数カ月のICOの人気は目覚ましく、一部中国メディアの報道によれば2017年の間に中国人投資家がICO経由で出資した総額は39億4600万米ドル相当に上るのではないかとみられており、投機的なマネーゲームの様相も見せていた。詐欺まがいのプロジェクトも散見し出し、中国当局もコントロールがきかなくなる前に規制に乗り出したのではないかとみられている。



実は、ICOの規制を始めたのは中国だけではない。シンガポールは既に規制に乗り出しており、7月25日にはアメリカ証券取引委員会 (SEC)も、具体的な停止等の措置はしていないがICO投資に関する注意点をまとめた声明を発表して投資家への注意喚起を行っている。中国と時を同じくして、韓国でも同様の規制を行うことも発表されている。



しかし、こうした規制はむしろICOプロジェクトの健全化を促進するのではないかとポジティブにとらえる向きもある。今回の中国の規制も仮想通貨の取引自体を否定するものではなく、直近2日間において中国の仮想通貨取引所における人民元建ての仮想通貨取引は継続して行われているようだ。中国のICO規制のニュースの後に軒並み落ち込んだ仮想通貨価格ではあったがこの24時間で値を戻し始めている。



国家による規制や法整備が今後仮想通貨市場にどのような影響を与えていくかは引き続き注視が必要であるが、仮想通貨取引やICOに対する消費者保護が進むというポジティブな要素となる可能性もある。