以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家東条麻衣子(ブログ「株式注意情報.jp」、ツイッター:@kabushikichuiを運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。



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※2018年11月12日10時に執筆



米・中間選挙というイベントを通過し、選挙通過後は年末高に向けた動きが出やすいというアノマリーに期待した方も多いのではないでしょうか。



その期待に反して、米国市場の軟調さに追随し日本の株式市場でも厳しい展開が続いています。多くの方が言われている通り、株式市場の軟調さの背景には「景気減速懸念」「米・長期金利の急ピッチな上昇」「米中貿易摩擦」など様々な懸念材料があるのは間違いないのでしょうが、筆者はWTI価格の下落も大きな要因だと考えています。



その証拠に、直近半年のWTI原油価格と米国の代表指数の一つであるNYダウのチャートにパラボリックを点灯させてみると、WTIは5月4日に買い転換が出ており、その後5月7日にNYダウにも買い転換シグナルが点灯、その後WTIは5月24日に売り転換しNYダウは5月29日に売り転換し、WTIが6月22日に買い転換したのに続きNYダウは7月9日に買い転換しています。



6月30日にトランプ大統領がサウジ国王に「原油が高すぎる」と増産を要請したことや、それに対するサウジの動向を見守る動きが出てきたことから8月第4週の在庫統計で原油在庫が減少したのを確認するまでは、WTI独自の動きとなりNYダウとの相関性はなかったものの、8月22日にWTIのパラボリックは改めて買い転換となり10月8日に売り転換する形となっていますが(NYダウは10月4日に売り転換)、今回の下落局面においても米国時間の10月3日、EIA在庫統計において米原油在庫の予想が198.5万バレルの増加だったのに対し、797.5万バレルの増加となったことから始まっていると解釈することもできるのではないでしょうか。



このことから、筆者はWTI価格は米国株式市場の先行指数の一つとして見ています。そもそもWTI価格と米国市場が連動する背景には、現在の米国が産油国としての地位を確立していることにあるからだと考えています。米国の原油生産量を見ると、ロシアと肩を並べる状況であり、産油国と言えるでしょう。WTI価格の上昇は産油国にとってプラスに寄与することから、米国株式市場は現段階において原油価格上昇によるガソリン価格の上昇や、インフレ圧力を嫌気するよりも、上昇におけるメリットの方が高いと見ている投資家が多いことの表れなのではないでしょうか。



つまりはWTI原油価格が下げ止まり、反転するポイントが米国株式市場ないしは日本の株式市場にとっても反転のポイントになるのではないかと考えています。



現在は、米国政府が11月末まで戦略備蓄の放出を行っていること、対イランへの制裁措置から8カ国を禁輸措置対象外としたこと、米国時間の13日に発表されたOPEC月報により2019年の需給見通しが下方修正されたことなどにより、WTI原油価格は下落基調が続いていますが、その一方で12月のOPEC総会で再び減産について協議することも浮上していることから月末に向けては下げ止まり上昇基調になる可能性があるのではないかと考えています。





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執筆者名:東条麻衣子

ブログ名:株式注意情報.jp