先週の新興市場では、日経平均とともにマザーズ指数、日経ジャスダックも上昇した。週初は米国がメキシコに対する関税引き上げを見送ったことが好感され、日経平均が21000円台を回復すると、新興市場でも投資家心理が上向いた。その後は日経平均と同様にマザーズ指数も900ptを挟み一進一退の展開となったが、主力大型株の手掛けづらさから個人投資家の物色が中小型株に向かい、マザーズ指数は比較的強い動きを見せた。なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.1%であったのに対して、マザーズ指数は+3.2%、日経ジャスダック平均は+1.1%だった。



個別では、マザーズ時価総額トップのメルカリ<4385>が週間で9.6%高となった。PKSHA Technology<3993>は同16.9%高、HEROZ<4382>は同19.2%高、ラクスル<4384>は同10.3%高となり、成長期待の高い準主力銘柄の上げが目立った。HEROZとラクスルは決算発表している。売買代金上位ではJMC<5704>やロゼッタ<6182>も買われ、株式分割実施を発表したソフトマックス<3671>が週間のマザーズ上昇率トップとなった。一方、インパクトHD<6067>は利益確定売りが続き逆行安。また業績下方修正のイトクロ<6049>などが下落率上位に顔を出した。ジャスダック主力はハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同2.3%高となったものの、ワークマン<7564>は同1.4%安と高安まちまち。売買代金上位ではオートウェーブ<2666>やバッファロー<3352>が活況だった。自動車の安全装置を巡る思惑から買いが向かった。バッファローはアズ企画設計<3490>などとともに週間のジャスダック上昇率上位に顔を出した。反面、メイコー<6787>やラクオリア創薬<4579>は売り優勢で、監理銘柄(確認中)に指定された日本フォームサービス<7869>が下落率トップだった。IPOではユーピーアール<7065>が東証2部へ新規上場し、公開価格を2割ほど上回るしっかりした初値形成となった。



今週の新興市場では、マザーズ指数はやや強含みで推移しそうだ。日米の金融政策決定会合などの重要イベントが控えるが、株式相場全体の方向感はつかみづらく、マザーズ指数も一本調子の上昇までは期待しにくい。ただ、日経平均が21000円近辺で落ち着きを見せていることは個人投資家に一定の安心感を与え、またそのこう着ムードが中小型株物色を促すだろう。6月後半はIPO件数が増え、中小型株の刺激材料となる可能性もある。



先週までに2-4月期決算発表が一巡したが、週末発表分ではモルフォ<3653>やマネジメントソリューションズ<7033>、フロンティアインターナショナル<7050>などがポジティブな印象。またPKSHAやHEROZの人気化を受け、ALBERT<3906>など他の人工知能(AI)関連銘柄にも注目したい。



IPO関連では、6月19日の日本グランデ<2976>とSansan<4443>を皮切りに、今週4社が新規上場する。注目のSansanは公開規模が400億円近くあり、業績の赤字推移もあって個人投資家には警戒ムードが窺える。しかし、機関投資家にはクラウド名刺管理サービスの成長性などが評価されているようだ。同社の出足は6月後半の他のIPOにも大きく影響してくるだろう。21日上場のブランディングテクノロジー<7067>は小型のマザーズIPOとあって初値期待が高い。