【先週の概況】

■ドル・円は伸び悩み、米中通商協議の行方を巡って売買交錯



先週のドル・円は伸び悩み。ポンド買い・円売りの取引拡大の影響で週初に109円台に上昇したが、その後は米中通商協議のさらなる進展に対する懐疑的な見方が広がったことや、トランプ米大統領が米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長と会談し、マイナス金利やドルについて協議したことを受けてリスク選好的なドル買い・円売りはやや縮小した。米国議会下院は11月20日、香港人権法案を可決したことから、米中通商協議の第1段階が年内に合意に至らない可能性があるとの見方が広がったこともドル売り材料となった。

ただ、中国の劉鶴副首相の「米国との第1段階合意に慎重ながらも楽観的」や、習近平国家主席の「相互尊重と平等の原則に基づき米国と第1段階の通商合意をまとめたい」などの発言を受けてリスク回避的なドル売りは一服した。



22日のニューヨーク外為市場でドル・円は、108円52銭から108円73銭まで上昇した。この日発表されたマークイット11月米PMI速報値は市場予想を上回ったことや、11月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値の上方修正を好感して、ドル買いが優勢になった。ドル・円は108円66銭でこの週の取引を終えた。先週のドル・円の取引レンジは108円28銭から109円07銭となった。取引レンジ:108円28銭−109円07銭。



【今週の見通し】

■もみ合いか、米中協議や米金融政策を巡る思惑交錯も



今週のドル・円はもみ合いか。第1段階の合意に向けた米中通商協議の行方や米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策を巡る思惑が交錯し、方向感の乏しい相場展開となりそうだ。ただ、ドル安・円高に振れる局面ではドルの押し目買いが増える可能性があるとの見方が多いことから、引き続きドル・円は底堅い値動きが予想される。



米上下両院で可決した「香港人権・民主主義法案」をめぐる両国の関係悪化への懸念から、米中協議進展への期待は低下している。また、通商協議における「第1段階」の署名に関して来年にずれ込むとの観測も浮上している。米中通商協議の先行きは依然として不透明であることから、ドル・円自体は狭いレンジ内での値動きが続くとみられる。20日に公表された連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、目先は政策金利据え置きで一致したことが明らかになった。12月10-11日に開催されるFOMC会合での追加利下げ観測は後退したが、18日にパウエルFRB議長はトランプ大統領と会談しており、追加利下げを要請された可能性は否定できず、追加利下げを巡る市場の思惑が大きく後退する可能性は低いとみられる。



【パウエルFRB議長講演】(25日予定)

25日(日本時間26日午前)にパウエルFRB議長の講演が予定されている。米中通商協議の第1段階の合意署名に至っておらず、12月10-11日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合に向け中立的な発言内容になるとみられている。将来的な追加利下げの可能性は消えていないと市場が判断した場合、リスク選好的なドル買いはやや後退する可能性がある。



【米・7-9月期国内総生産(GDP)改定値】(27日発表予定)

27日発表の米7-9月期国内総生産(GDP)改定値は、速報値(前期比年率+1.9%)程度と予想されている。市場予想と一致した場合、米追加利下げ観測は後退し、ドル買いが優勢となる可能性がある。



予想レンジ:107円50銭−110円00銭