11日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。



・日経平均は続伸、米株荒くとも23000円近辺キープ

・ドル・円はもみ合い、日本株高で底堅さも

・値上がり寄与トップはリクルートHD<6098>、同2位が第一三共<4568>



■日経平均は続伸、米株荒くとも23000円近辺キープ



日経平均は続伸。68.76円高の23304.23円(出来高概算7億8000万株)で前場の取引を終えている。



10日の米株式市場でNYダウは反落し、405ドル安となった。新規失業保険申請件数の予想外の増加や原油安が嫌気されたうえ、共和党上院が提示した小規模な経済対策を民主党が拒否し、早期合意への期待も後退した。本日の日経平均はこうした流れを引き継いで120円安からスタート。ただ、寄り付きを安値に下げ渋り、プラス圏に浮上すると、前場中ごろには23345.52円(110.05円高)まで上昇する場面があった。先物・オプション9月物の特別清算指数(SQ)算出に絡んだ買いが入ったほか、NYダウ先物が時間外取引で上昇し、日経平均を押し上げた。なお、SQ値は概算で23272.88円となっている。



個別では、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、任天堂<7974>、ソニー<6758>が小じっかり。経済活動再開への期待から注目されるリクルートHD<6098>は3%の上昇となっている。日本電産<6594>は株式分割考慮後の上場来高値を連日で更新し、3%の上昇。年初来高値更新の楽天<4755>も3%超上昇している。また、gumi<3903>やアイモバイル<6535>は決算が好感されて急伸し、東証1部上昇率上位に顔を出している。一方、東エレク<8035>、ファナック<6954>、トヨタ自<7203>が小安い。エムスリー<2413>は3%超の下落。積水ハウス<1928>は業績下方修正や減配を嫌気した売りが出て、株主優待を縮小するすかいらーく<3197>や決算発表で材料出尽くし感が広がった神戸物産<3038>は東証1部下落率上位に顔を出している。



セクターでは、海運業、精密機器、陸運業などが上昇率上位。半面、証券、鉱業、非鉄金属などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の68%、対して値下がり銘柄は27%となっている。



10日のNYダウは405ドル安と、連休明けの8日(632ドル安)に続きやや大きな下げ幅だった。ただ、日経平均は米株安の流れを引き継いで3ケタの下落からスタートしたものの、すかさずプラスに切り返す展開となった。SQ値を上回ってからは同水準が下値をサポートする形でまずまず堅調に推移している。



売買代金上位を見るとやや方向感に乏しいが、ソフトバンクGや任天堂といった値がさ株の一角が底堅く推移している点には安心感がある。高値更新している日本電産や楽天の堅調ぶり、また25日移動平均線を割り込んだエムスリーの軟調ぶりを見ると、値動きに着目した物色が中心となっている印象もある。また、来週初にかけて5-7月期決算発表のピークを迎えるため、これを手掛かりとした物色が活発のようだ。インターネットサービスやゲーム関連でポジティブな決算と株価反応が見られる一方、すかいらーくのような外食企業の苦戦や事前の期待が高かった神戸物産の材料出尽くし的な動きは、今後に向けてもやや気掛かりとなる。ここまでの東証1部売買代金は1兆5000億円あまり。メジャーSQの割にはやや低調といったところか。



新興市場ではマザーズ指数が3日ぶりに小幅反発。日足チャートでは25日移動平均線が下値を支える一方、5日移動平均線に上値を抑えられ、煮詰まり感が台頭してきた。ここから物色動向次第で上下に大きく振れる可能性があるが、株式分割実施を発表したセルソース<4880>がストップ高を付けているあたり、やはり個人投資家の新興株に対する物色意欲は根強いものと感じられる。



「恐怖指数」とされる米株の変動性指数(VIX)はNYダウが大幅下落した8日に31.46(+0.71)となり、その後9日28.81(-2.65)、10日29.71(+0.90)と推移している。NYダウの変動幅が大きい割にVIXは比較的落ち着いており、9日の当欄で指摘したとおり、投資家は米国株が売られる場面でも「健全な調整の範囲内」と冷静に受け止めていることが窺える。今のところパニック的な売りが広がる展開は想定しにくい。



また、先物手口を見てもSQ前のロールオーバー(限月入れ替え)の動きから分かりづらいが、9日に日経平均が23000円を割り込んだ場面では個人投資家が日経レバETF<1570>の買いを入れた可能性がある。日経レバETFの純資産総額の推移を見ると9日に増えており、翌10日の後場にかけての日経平均の強い動きも日経レバETFに買いが入った際の特徴的な動きだ。日銀による上場投資信託(ETF)買い入れとともに、今後もこうした動きが下値の支えとなってきそうだ。



もちろん、国内外の政治・経済情勢に不透明感があるなかで、積極的に上値を追う動きは乏しいことが本日の値動きからも窺える。繰り返しになるが、目先の日経平均は大幅な調整にこそ至らないものの、23000円を挟んだもみ合いになると予想したい。





■ドル・円はもみ合い、日本株高で底堅さも



11日午前の東京市場でドル・円はもみ合い。前日の米大幅株安が嫌気されやや円買いに振れやすく、ドルに下押し圧力がかかる。ただ、米株式先物がプラスに浮上し、日経平均株価の上昇で円買いは後退しており、ドルは底堅さも目立つ。



ここまでの取引レンジは、ドル・円は106円08銭から106円19銭、ユーロ・ドルは1.1813ドルから1.1834ドル、ユーロ・円は125円38銭から125円60銭。





■後場のチェック銘柄



・アイモバイル<6535>、大和自動車交通<9082>など、8銘柄がストップ高



※一時ストップ高(気配値)を含みます



・値上がり寄与トップはリクルートHD<6098>、同2位が第一三共<4568>





■経済指標・要人発言



【経済指標】

・日・8月企業物価指数:前年比-0.5%(予想-0.5%、7月:-0.9%)

・日・7-9月期法人企業景気予測調査・大企業全産業景況判断指数:+2.0(予想-40.0、4-6月期:-47.6)



【要人発言】

・菅官房長官

「消費増税はあくまで将来の話。今後10年引き上げ不要との安倍政権の考えと同じ」

「経済再生なくして財政健全化はない」





<国内>

特になし



<海外>

・15:00 英・7月鉱工業生産(前月比予想:+4.1%、6月:+9.3%)

・15:00 英・7月貿易収支(予想:-69億ポンド、6月:-51.16億ポンド)

・15:00 独・8月消費者物価指数改定値(前年比予想:0.0%、速報値:0.0%)

・ユーロ圏財務相会合