【今週の概況】

■トランプ大統領の新型コロナ陽性反応で円売り縮小



今週のドル・円は伸び悩み。9月29日発表の9月米CB消費者信頼感指数は、市場予想を上回ったことや、ムニューシン米財務長官とペロシ米下院議長は追加パンデミック経済救済策を巡る交渉を再開したことから、105円80銭までドル高・円安に振れる場面があった。しかしながら、トランプ米大統領とメラニア夫人は新型コロナウイルスに感染した(検査で陽性反応)との報道を受けて、ドル・円は10月2日の東京市場で一時105円を下回った。



2日のニューヨーク外為市場でドル・円は105円13銭まで下落後、105円39銭まで戻した。トランプ大統領の新型コロナウイルス感染報道で米国の政局不安が広がったほか、米9月雇用統計で雇用者数の伸びが予想以上に鈍化したことが嫌気されたが、9月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値は上方修正されたほか、民主党のペロシ下院議長が米追加パンデミック経済救済策の合意に楽観的な見方を示したため、リスク回避的なドル売り・円買いは縮小し、ドル・円は105円31銭でこの週の取引を終えた。今週のドル・円の取引レンジは、104円94銭から105円80銭となった。ドル・円の取引レンジ:104円94銭−105円80銭。



【来週の見通し】

■もみ合いか、米大統領の健康状態を注視へ



来週のドル・円は、もみ合いか。新型コロナウイルスに感染したトランプ大統領は、米軍医療センターに入院した。関係者によると、今後数日入院するもよう。トランプ米大統領のウイルス感染を懸念して、目先的にリスク回避的な取引が増える可能性がある。ただ、欧米主要国の株式が下落した場合、ドルや米国債に資金が向かうケースが多いことから、ドル売り・円買いが大きく広がる可能性は低いとみられる。欧州中央銀行(ECB)、豪準備銀行(中央銀行)、NZ準備銀行(中央銀行)など複数の中央銀行は緩和的な金融政策を維持する方針を表明していることは、ドル相場に対する支援材料となる。



報道によると、トランプ大統領は発熱しているものの、職務不能の状態ではないとみられている。容体が悪化しなければ、10月中旬頃の職務復帰が見込めるものの、大統領夫妻の健康状態については予断を許さない状況が続くとみられる。現職大統領のウイルス感染は1カ月後に行われる米大統領選挙に一定の影響を及ぼす可能性が高いこと、追加の新型コロナウイルス経済対策では主要部分で与野党間の見解に大きな隔たりがあり、短期間での合意形成は難しいことから、リスク選好的な取引がただちに拡大する可能性は低いとみられる。



【米・9月ISM非製造業景況指数】(5日発表予定)

5日発表の9月ISM非製造業景況指数は、56.1と、8月の56.9を下回る見通し。新型コロナウイルスの冬場の感染拡大が警戒されるなか、指数の低下で早期回復期待の後退によりドル売りに振れる可能性も。



【米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨】(7日公表予定)

FRBは7日に9月15-16日開催のFOMC議事要旨を公表する予定。2023年まで実質ゼロ金利を維持する方針だが、他の主要中銀が慎重姿勢のためFRBの非ハト派見解はドル買いを誘発する要因に。



予想レンジ:104円00銭−106円50銭