■株式相場見通し



予想レンジ:上限28500-下限27500円





来週の日経平均は、リスクを取りやすい相場環境が続くなか、上値を試す展開が予想される。今週は、大型イベントを通過したことで先行き不透明感が後退したほか、経済指標の改善も市場心理を上向かせた。今週に発表された12月の米サプライマネジメント協会(ISM)景況指数は製造業・非製造業とも市場予想を大きく上回った。特に製造業は2018年8月以来の高水準だった。





目先の不透明感の退、好調な経済指標、これらの好条件を背景とした市場環境が続くと見込まれるなかでも、高値警戒感を指摘する声は引き続き市場で一定数は存在している。しかし、こうした高値警戒感は昨年から長期間、常に意識されてはいるが、日経平均株価はもみ合いながらも、階段上のきれいなレンジ上げのチャートを形成してきている。バブル崩壊後の高値が断続的に更新され続けてきているなか、仕掛け的な売りも出にくいだろう。





むしろ、警戒する声も共存している分、足元の株高はかえってしっかりとしたものになる可能性が考えられる。市場でも、「イベント前に様子見姿勢を決め込んでいた待機資金が株式に流入してきている」といった声のほか、「イベント時の下げを見込んでいた売り方が損失覚悟の買い戻しを迫られている」などとの先高観を意識させる声が多く聞かれる。





世界各国での大規模財政政策とそれを支える強烈な金融緩和政策、これによって生まれる歴史的な「カネあまり」が上述した「全員参加型」とも呼べる買い相場を実現しているようで、1月20日のバイデン氏の米大統領就任式あたりまではこうした楽観ムードが続く可能性がある。





■為替市場見通し





来週のドル・円はドル・円は伸び悩みか。米バイデン次期政権発足に先立ち政策期待で長期金利は上昇しており、ドル買い材料になるとみられている。上下両院で民主党が多数派を占めることから、バイデン新政権による円滑な政策運営が期待される。国債増発観測で長期金利は上昇しており、ドル相場を下支えしている。



ただ、新型コロナウイルスまん延で、ワクチン接種への期待よりも景気減速の懸念は根強く、金融緩和の長期化観測がもう一段のドル高を抑制するとみられる。1月15日発表の12月小売売上高は前月比で減少すると予想され、回復度合いは鈍く、個人消費の弱さが鮮明になりそうだ。同日発表の12月鉱工業生産は冴えない内容となる可能性があるため、製造業の業績回復ペースの緩慢さが意識された場合、株価の下押し要因となり、長期金利は反落する可能性がある。



なお、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は1月14日開催のウェブ会議に参加し、発言の機会があるため、この場で金融緩和政策の長期化方針を改めて提示した場合、ドル買いを抑制する可能性がある。





■来週の注目スケジュール



1月11日(月):米・アトランタ連銀総裁が講演、米・家電・IT見本市「CES」(14日まで)など

1月12日(火):日・景気ウォッチャー調査(12月)、決算発表:安川電機、7&iHD、米・ボストン連銀総裁が講演など

1月13日(水):日・工作機械受注(12月)、米・地区連銀経済報告(ベージュブック)など

1月14日(木):日・コア機械受注(11月)、決算発表:ファーストリテイリング、米・パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長がウェブ会議に出席、決算発表:台TSMCなど

1月15日(金):米・小売売上高(12月)、米・ニューヨーク連銀製造業景気指数(1月)、米・鉱工業生産指数(12月)、米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(1月)など