【今週の概況】

■米低金利政策の長期化を意識してドルは伸び悩む



今週のドル・円は伸び悩み。週初に105円67銭まで買われたが、2月10日発表の1月米消費者物価コア指数が市場予想を下回ったことや、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がインフレ率の大幅な上昇を予想せず、当面引き締めを行わない意向を示したことから、ドル・円は10日に104円41銭まで下落した。ただ、新型コロナウイルスのワクチン普及ペースは加速し、経済活動拡大への期待が広がったことや、米国株式は堅調に推移したことから、リスク回避のドル売り・円買いは拡大しなかった。



12日のニューヨーク外為市場でドル・円は、105円12銭まで戻した。この日発表された2月米ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は1月実績の79.0を下回る76.2に低下したが、原油先物は一段段高となり、長期債利回りは上昇したことから、ドルは下げ渋った。なお、バイデン米大統領は12日、追加経済対策法案の成立に向け州知事や市長との会合を開き、失業者への支援や学校再開に一段の協力が必要と訴えた。ドル・円は104円93銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:104円41銭−105円67銭。



【来週の見通し】

■米長期金利下げ渋りでドル売り抑制も



来週のドル・円は底堅い値動きか。新型コロナウイルスの感染流行は米国経済に強い打撃を与えていることから、米連邦準備制度理事会(FRB)は景気回復について慎重姿勢を保っている。パウエルFRB議長は2月10日の講演で、コロナ感染の拡大による景気回復の遅れを指摘し、改めて緩和的な金融政策の長期化方針を述べた。ただ、株式市場では追加経済対策への期待は持続しており、米長期金利は下げ渋っていることから、リスク回避的なドル売り・円買いは抑制されるとみられる。



来週発表予定の経済指標では、1月小売売上高が注目されそうだ。12月に減少した反動で1月はやや高い伸びとなる可能性がある。市場予想を上回って改善した場合、ドル買い材料となりそうだ。なお、欧州中央銀行(ECB)当局者は域内経済について、中長期的な持ち直しの可能性に言及しながらも、金融緩和政策の必要性を強調している。ユーロ圏経済の回復は4-6月期以降になるとみられており、早期回復への期待は高まっていない。ユーロ売り・米ドル買いが優勢となった場合、ドル・円の取引でもドル買いが増える可能性があるので注意したい。



【米・1月小売売上高】(17日発表予定)

17日発表の1月小売売上高は前月比+0.8%と予想される。12月は-0.7%と予想外に悪化し個人消費の弱さを露呈したが、想定通りの改善なら目先の回復に期待感が高まる。



【米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨】(17日公表予定)

FRBは17日(日本時間18日4時)に1月26-27日開催のFOMCの議事要旨を公表する。追加緩和は見送られたが、金融緩和策の長期化を示唆する内容ならドル売り材料になり得る。



予想レンジ:103円50銭−106円00銭