17日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。



・日経平均は小幅に7日続伸、FOMC後を見据えた動きか、潮目の変化を感じる物色動向

・ドル・円は小じっかり、米長期金利にらみ

・値上がり寄与トップはアドバンテスト<6857>、同2位が東京エレクトロン<8035>



■日経平均は小幅に7日続伸、FOMC後を見据えた動きか、潮目の変化を感じる物色動向



日経平均は小幅に7日続伸。25.12円高の29946.21円(出来高概算6億4122万株)で前場の取引を終えている。



前日の米国株式市場では、2月小売売上高や鉱工業生産、住宅市場指数が軒並み予想を下回ったことが嫌気されたほか、連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えていることから、連日の史上最高値更新後の利益確定売りも目立ちNYダウは終日軟調に推移した。一方、米長期金利が高止まりしている中でも上昇一服感からハイテク株は上昇し、ナスダック総合指数やフィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は堅調推移となった。前日までに6日続伸していた日経平均は、高安まちまちな米株市場の流れを受けて84円安でスタート。すぐに下げ幅を縮小していきプラス転換すると一時は29984.97円まで上値を伸ばしたが、もみ合い後前引け間際にやや失速した。



個別では、想定以上の好決算や株主還元策が評価されたアスクル<2678>、業績上方修正で一転営業増益見通しとなったパイプドHD<3919>などがそれぞれ10%超の上昇率で急伸した。また、同様に業績関連を手掛かりにGCA<2174>、キャリアDC<2410>なども大きく買われた。そのほか、売買代金上位では、キーエンス<6861>、東京エレクトロン<8035>、日本電産<6594>、レーザーテック<6920>、アドバンテスト<6857>などの半導体関連やグロース(成長)株筆頭格が買われた。



一方、第3四半期のモメンタム鈍化が嫌気されたツルハHD<3391>や、柏崎刈羽原子力発電所に設置されていた監視装置が故障していた伝えられ、原発再稼働を巡る不透明感が高まった東京電力HD<9501>が大幅に下落した。そのほか、売買代金上位では、ソフトバンクG<9984>、楽天<4755>、JAL<9201>、ANA<9202>、Zホールディングス<4689>、日本郵船<9101>などが下落となった。



セクターでは、化学、電気機器、不動産業、医薬品、銀行業などが上昇率上位に並んだ。一方、空運業、鉱業、鉄鋼、ゴム製品、海運業などが下落率上位となった。東証1部の値上がり銘柄は全体の44%、対して値下がり銘柄は50%となっている。



米連邦公開市場委員会(FOMC)後の、明日のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見が終わるまでは不透明感が残るが、市場には潮目の変化が窺える。



前日の米株市場では、米長期金利(10年物国債)が1.6%前後と高止まり、もしくはやや上昇しているにも関わらず、景気敏感株が売られた一方でハイテク株が買われた。10-12月期の決算シーズンが一巡した2月半ば頃から日米ともに「バリュー(割安)・景気敏感株の買い」と「グロース・ハイテク株の売り」の動きが強まっていた。こうした動きは、米長期金利の上昇とかなりの相関性を持っていた。



しかし、前日の米株市場のように、米長期金利が上昇している中で「景気敏感株の売り」と「ハイテク株の買い」が明確に見られたのは初めてのことではないだろうか。たしかに、循環物色的な形で、景気敏感株が売られる一方でハイテク株が買われることはこれまでにもあった。しかし、殆どの場合、そうした動きが見られるのは金利上昇が一服・低下した時であり、前日のように米長期金利が小幅ながらも1.5%台から1.6%台へと上昇する動きを見せる中ではなかったと思われる。



将来に対する先行き不安視の度合いや変動率(ボラティリティー)を表す米VIX指数も警戒水準とされる節目の20ptを割ってきている。こうしたところから、市場はかなり金利動向に対して耐性がついてきたと言えるのではないだろうか。



もちろん、物事をはっきりと言う傾向のあるパウエルFRB議長の明日の会見を終えるまでは、明確なことは断言できない。FOMCメンバーによる経済および政策金利見通しも非常に注目されている。前回までの中央値では、2023年末までのゼロ金利が示されていたが、これが年半ばにかけての1回の利上げに見通しが引き上げられるのではないかという指摘も聞かれている。その場合、再び市場に短期的なショックが及ぶ可能性も否定できない。また、補完的レバレッジ比率(SLR)を巡る規制緩和の期限延長問題も警戒されている。



しかし、現状の米長期金利の水準は上記シナリオを相当程度織り込んでいるとみられ、その場合の市場への影響は限定的との見方もあり、SLRの規制についても引き続き緩和的な方向で調整するのではとの見方が多い様子。また、パウエル議長を含め、これまでのFRB高官からの発言などを踏まえれば、今の段階で株式市場にショックをもたらすような対応をするとは想定しにくい。記者会見では、長期金利の上昇を抑制するための具体策への言及はないだろうが、これまで通り、明確な雇用および物価目標の改善が見られない限りは強力な金融緩和を続けるという従来方針の強調をするだろう。



そうしたシナリオを織り込んでいっているのか、冒頭で解説した通り、足元では「バリュー買い・グロース売り」の動きが一巡してきている。そうした兆しは直近の物色動向だけでなく、テクニカル面でも見られている。米国では、ナスダック総合指数およびSOX指数ともに、日足チャートでは3月5日近辺をボトムに再び25日移動平均線を超えてきている。東京市場でも、調整が続いていたTOPIXグロース指数が明確に25日線を上抜け、5日線と25日線による短期ゴールデンクロスも目前に迫っている。



市場では、前週末の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を機に、機関投資家の期末に向けたリバランス売りも一巡したようだとの指摘も聞かれ、こうした需給要因も「バリュー買い・グロース売り」の一巡という潮目の変化をもたらしていると考えられる。明日のパウエル議長の記者会見を無難に終えることができれば、こうした潮目の変化はより鮮明となるシナリオも想定される。その場合、主力企業の本決算および22年3月業績見通しの公表が意識され始める4月末あたりまでは、今度は再び相対的にグロース株が優位の相場展開となりそうだ。



さて、後場も引き続き底堅い展開を想定する。前日からはイベント前のポジション調整で売り方が買い戻しの動きを強めているとの指摘が聞かれていたが、本日も指数をはじめ相場は全般堅調だ。良いか悪いかは別として、明日のFOMCを楽観的に捉えている向きが多いようで、そうした動きを反映しているとみられる。そのため、ここから過度に仕掛け的な売りを入れてくる向きも少ないと思われ、FOMC通過後のあく抜け感を意識したグロース株の見直し買いが続きそうだ。



■ドル・円は小じっかり、米長期金利にらみ



17日午前の東京市場でドル・円は小じっかりとなり、おおむね109円台を維持。米10年債利回りが上昇基調となり、ドルは他の主要通貨に対し値を上げた。それによりクロス円は下押し圧力が観測されたものの、アジア株高を好感した円売りが主要通貨を支えたようだ。



ここまでの取引レンジは、ドル・円は108円98銭から109円17銭、ユーロ・円は129円68銭から129円90銭、ユーロ・ドルは1.1893ドルから1.1906ドル。



■後場のチェック銘柄



・ミタチ産業<3321>、日本アジアグループ<3751>など、10銘柄がストップ高



※一時ストップ高(気配値)を含みます



・値上がり寄与トップはアドバンテスト<6857>、同2位が東京エレクトロン<8035>



■経済指標・要人発言



【経済指標】



・日・2月貿易収支:+2174億円(予想:+4200億円、1月:-3239億円←-3254億円)

・NZ・10-12月期経常収支:-26.95億NZドル(予想:-26.75億NZドル、7-9月期:-36.20億NZドル←-35.21億NZドル)



【要人発言】



・ブリンケン米国務長官

「東シナ海や南シナ海などで中国はより攻撃的かつ抑圧的に行動している」



<国内>

特になし



<海外>

特になし