【今週の概況】

■米長期金利上昇でドルは下げ渋る



今週のドル・円はもみ合い。週初に109円36銭まで買われたが、3月16日発表の2月米小売売上高は、市場予想を下回ったことからリスク選好的なドル買い・円売りは縮小。16-17日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で現行の金融緩和策を維持することが決まったが、長期金利の上昇を抑制する具体的な措置は導入されなかったことから、ドル売りは再び縮小し、109円を挟んだ水準で推移した。



19日のニューヨーク外為市場でドル・円は、一時109円05銭まで買われた。米連邦準備制度理事会(FRB)は昨年4月に導入した大手銀行に対する資本規制を巡る優遇措置を当初の予定通り、3月末で終了すると発表したため、米長期債利回りの上昇に伴うドル買いが観測された。ただ、中東地域における地政学的リスクの増大や米中対立の継続を警戒したドル売りも確認されており、ドル・円は108円90銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:108円61銭−109円36銭。



【来週の見通し】

■底堅い値動きか、日米金融政策は想定内でドル買い継続も



来週のドル・円は底堅い値動きか。米連邦公開市場委員会(FOMC)と日本銀行の金融政策決定会合の結果を消化する相場展開となりそうだ。日本銀行は10年国債金利の変動幅を上下0.25ポイント程度に設定したが、米長期金利の上昇基調は継続するとの見方が多く、ドル高・円安の流れは変わらないとみられる。FOMCでは政策金利の誘導目標レンジを据え置くとともに、2023年まで実質ゼロ金利政策を維持するとの方針が示された。



ただ、FOMCの経済予測では、2021年末時点の経済成長率は6.5%、失業率は4.5%程度と想定されており、これらの予測データは長期金利上昇の一因になっていることから、来週発表される10-12月期国内総生産(GDP)確定値や2月耐久財受注などをはじめ、経済指標が堅調なら、資産買入れ規模の段階的な縮小への思惑が浮上し、ドル売りは抑制されよう。米10年債利回りの高止まりを受けハイテク株買いは縮小しているようだが、連邦準備制度理事会(FRB)による緩和的な金融政策の長期化観測で、米国株式の大幅安は回避される可能性が高いとみられており、ドル買い材料となりそうだ。



【米・2月耐久財受注】(24日発表予定)

24日発表の米2月耐久財受注は前月比+0.7%と予想されており、伸び率は1月実績を大幅に下回る。2月実績が市場予想を下回った場合、1-3月期国内総生産(GDP)の伸び率鈍化につながる可能性があることから、金利安・株安・ドル安の要因となりそうだ。



【米・10-12月期国内総生産(GDP)確報値】(25日発表予定)

25日発表の米10-12月期国内総生産(GDP)確報値は、前期比年率+4.1%程度と予想されている。速報値や改定値の水準を維持できるかが焦点。ただ、景気回復ペースはやや遅れが目立ち、改定値を下回った場合、ドル売り材料となる可能性がある。



予想レンジ:107円50銭−110円00銭