■株式相場見通し



予想レンジ:上限30500-下限29200円



来週の日経平均はもみ合いか。注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)では23年末までのゼロ金利据え置きのほか、量的緩和についても現行の資産購入ペースの維持が示された。しかし、その後は一転して、緩和政策の継続が景気回復を更に強めるとの予想から期待インフレ率が一層上昇し、かえって米長期金利が上昇するという動きに変わった。これを受けて、週末には再びハイテク株などが売られる展開になった。





本来、景気回復期待による良い金利上昇と株高は長期的には共存できる。ただ、あまりに速いスピードでの金利上昇は市場の警戒感を強め、短期的な株価調整の要因となりかねない。米連邦準備制度理事会(FRB)は政策により短期金利を誘導することはできるが、長期金利の水準は主として市場が決めるものだ。市場が先走る形でインフレ懸念が一層強まり、米長期金利が更に上昇する可能性もあろう。その場合、FRBが現在の緩和政策の変更を迫られるというテールリスクもある。





もともとインフレ懸念で長期金利が上昇していることを背景に、インフレ抑制のための早期利上げ見通しが示されるのではないかという警戒があった。しかし、結局、緩和政策を強調しても景気回復を強めるとの見方から「インフレ期待→長期金利上昇」という動きが続いたわけで、皮肉な話である。





バンク・オブ・アメリカ(BofA)による3月のグローバルファンドマネジャー調査では、いまや最大のテールリスクは「インフレ」と「長期金利の上昇」であり、新型コロナウイルスに取って代わっている。今後も期待インフレ率と米長期金利の動きを注視する必要があろう。来週は、米長期金利の上昇のきっかけにもなった米7年国債入札が25日(木)に予定されており、債券需給も注目されよう。





ここまでネガティブなことを書いてきたが、株式市場の先行きが暗いわけではない。米長期金利が上昇しているとはいっても、期待インフレ率を差し引いた実質金利はいまだマイナスで、これは当面保たれる見込み。実質金利がマイナスである限りは、株式益回りと債券利回りの差であるイールドスプレッドの縮小もある程度は許容できると思われる。FRBの政策スタンスが現状のままである限りは、各種アセットクラスの中での株式の相対的な魅力は劣らないだろう。実際、米長期金利が1.75%まで上昇した直後の東京市場は大きくは崩れなかった。TOPIXに至ってはバブル崩壊後の最高値だ。過度な悲観は不要だろう。





ただ、留意が必要なのは、日銀がETFの買い入れ対象から日経平均型を外したことだ。ファーストリテ<9983>などの値がさ株がこれまで需給要因主体で買われていたのだとすれば、週末の同社株の急落に伴う日経平均の軟調ぶりも続く可能性がある。TOPIXは堅調でも日経平均は軟調という二極化の動きを想定しておく必要があろう。





■為替市場見通し





来週のドル・円は底堅い値動きか。米連邦公開市場委員会(FOMC)と日本銀行の金融政策決定会合の結果を消化する相場展開となりそうだ。日本銀行は10年国債金利の変動幅を上下0.25ポイント程度に設定したが、米長期金利の上昇基調は継続するとの見方が多く、ドル高・円安の流れは変わらないとみられる。FOMCでは政策金利の誘導目標レンジを据え置くとともに、2023年まで実質ゼロ金利政策を維持するとの方針が示された。経済・金利見通しで23年までに利上げが実施されるとしたメンバーは10人を下回った。





ただ、FOMCの経済予測では、2021年末時点の経済成長率は6.5%、失業率は4.5%程度と想定されており、これらの予測データは長期金利上昇の一因になっていることから、来週発表される10-12月期国内総生産(GDP)確定値や2月耐久財受注などをはじめ、経済指標が堅調なら、資産買入れ規模の段階的な縮小への思惑が浮上し、ドル売りは抑制されよう。米10年債利回りの高止まりを受けハイテク株買いは縮小しているようだが、連邦準備制度理事会(FRB)による緩和的な金融政策の長期化観測で、米国株式の大幅安は回避される可能性が高いとみられており、ドル買い材料となりそうだ





■来週の注目スケジュール



3月22日(月):日・景気先行CI指数(1月)、米・中古住宅販売件数(2月)、国際決済銀行(BIS)イノベーションサミット(25日までパウエルFRB議長やラガルドECB総裁が参加)など

3月23日(火):日・工作機械受注(2月)、日・月例経済報告(3月)、米・新築住宅販売件数(2月)、米・ニューヨーク連銀総裁がオンライン討論会に参加など

3月24日(水):日・製造業PMI(3月)、Sharing Innovationsが東証マザーズに新規上場、シキノハイテックが東証ジャスダックに新規上場、欧・ユーロ圏製造業PMI(3月)、米・耐久財受注(2月)、米・製造業PMI(3月)、米・パウエルFRB議長とイエレン財務長官が上院銀行委員会の公聴会で証言、米・サンフランシスコ連銀総裁がオンラインフォーラムで講演など

3月25日(木):ベビーカレンダーが東証マザーズに新規上場、ジーネクストが東証マザーズに新規上場、米・GDP確報値(10-12月)、米・ニューヨーク連銀総裁がBISのイベントで講演、米・クラリダFRB副議長が講演、欧・欧首脳会議(26日まで)など

3月26日(金):ブロードマインドが東証マザーズに新規上場、イー・ロジットが東証ジャスダックに新規上場、米・個人所得/消費支出(2月)、米・個人消費支出(PCE)価格コア指数(2月)、米・ミシガン大学消費者マインド指数(3月)など