【今週の概況】

■米国景気の早期回復期待でドル買い強まる



今週のドル・円は強含み。約1年ぶりとなる110円97銭まで上昇した。新型コロナウイルスのワクチン接種が拡大していることや、バイデン大統領は3月31日、国内のインフラの整備に8年間で2兆ドル超の投資計画を発表したことから、米長期金利は高止まりを続けており、リスク選好的なドル買い・円売りが優勢となった。4月1日発表の3月ISM製造業景況指数は市場予想を大幅に上回っており、企業業況の改善が確認されたこともドル買い材料となった。



4月2日のニューヨーク市場は、聖金曜日の祝日であることから、米国株式市場は休場となり、ドル・円などの主要通貨の為替取引はやや動意薄の状態が続いた。ただ、この日発表された3月米雇用統計で、非農業部門雇用者数は91.6万人の急増となり、失業率は6.0%に低下したことから、米国景気の早期回復への期待が広がりドルは下げ渋った。ドル・円は110円67銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:109円37銭−110円97銭。



【来週の見通し】

■金利高や株高持続でドル選好地合い変わらず



来週のドル・円はドル・円は底堅い値動きを保つ可能性がある。堅調な経済指標を受け米国経済の回復傾向が鮮明になり、米長期金利の高止まりや米国株高を手がかりにドル選好地合いが継続しそうだ。欧米、アジア諸国の株式市場が安定すれば、リスク選好的な円売りが広がり、ドル・円相場を押し上げる可能性もあろう。バイデン米大統領は3月31日、ピッツバーグで演説し、8年間で総額2兆ドルを上回る大型のインフラ投資計画を打ち出した。公共交通機関の改修や清潔な飲料水の確保、通信回線の整備などが柱となる。新型コロナウイルスのワクチン普及も合わせ、米国経済の早期正常化期待が高まる。



最近発表された経済指標では、雇用情勢の改善や消費意欲の増大が示されており、主要国のなかで米国経済の持ち直しが目立つ。米国市場への資金流入が見込まれるため、米国株式は上昇基調を維持する見通し。株高によって長期金利は高止まりとなる可能性があり、ドル選好地合いが短期間で変わることはなさそうだ。



一方、新型コロナウイルスの感染再拡大などによってユーロ圏経済は停滞しており、フランスでは小売業の営業再開にメドが立たないなど、景気減速の思惑が広がりやすい。リスク回避的なユーロ売り・ドル買いがただちに縮小する可能性は低いとみられており、ドル・円の取引ではドルを押し上げる要因となる。



【米・3月ISM非製造業景況指数】(5日発表予定)

5日発表の米3月ISM非製造業景況指数は58.2と、2月実績の55.3を上回る見通し。1日発表の3月ISM製造業景況指数は予想を上回る改善を示しており、非製造業景況指数の改善が期待される。新型コロナウイルスの打撃からの回復傾向が顕著になるとみられ、経済正常化への期待で株高・金利高・ドル高の要因となりやすい。



【米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨】(7日公表予定)

7日に3月16-17日開催分のFOMC会合の議事要旨が公表される。上昇基調の長期金利や資産買入れの段階的縮小(テーパリング)に関し、批判的な意見が少なかった場合、ドル買い材料となりそうだ。



予想レンジ:109.50円−112.00円