【今週の概況】

■米長期金利低下を意識してドル弱含み



今週のドル・円は弱含み。米国当局が血栓発生でジョンソン&ジョンソン製ワクチン接種を一時中断するよう勧告したため、ワクチン普及混乱が経済活動の再開に支障をきたすとの懸念が広がり、円買いが強まった。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は4月14日、ワシントン経済クラブのインタビューで「2022年末までに利上げする可能性は極めて低い」との見方を伝えたことや、同日公表された米地区連銀経済報告で「全米地区での物価はわずかな上昇にとどまった」との見方が含まれていたことは長期金利の低下につながり、ドル売り材料となった。



16日のニューヨーク外為市場でドル・円は、一時108円90銭まで買われたが、その後は上げ渋った。この日発表された3月米住宅着工件数は予想を上回ったが、その後発表された4月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は市場予想をやや下回ったことから、108円74銭まで反落し、108円79銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:108円61銭−109円77銭。



【来週の見通し】

■ワクチン接種に不透明感もドルは下げ渋りか



来週のドル・円は下げ渋りか。米金融緩和策の長期継続観測は後退していないこと、新型コロナウイルス向けのワクチン接種について、有効性や安全性について不透明感が広がっていることから、ドル・円の取引ではリスク回避的な円買いが一部で観測されているようだ。しかしながら、ユーロ、英ポンド、豪ドルなどの通貨に対するドル売りは大きく広がっていないため、ドル・円の取引でもドル売り・円買いがさらに強まる可能性については懐疑的な見方が浮上している。



米連邦準備制度理事会(FRB)は、早期の景気回復について慎重な見方を変えていないようだが、米国の堅調な経済指標を意識して、リスク回避的なドル売りが大きく広がる可能性は低いとみられる。新たなドル売り材料が提供されない場合、ドル・円は主に108円台での取引が続くと予想される。



【米・新規失業保険申請件数】(22日発表予定)

22日発表の米新規失業保険申請件数は、正常化の流れで労働市場の活性化が見込まれる。来月発表される4月雇用統計は良好な内容になるとの思惑が広がれば、長期金利の低下を抑制し、リスク回避的なドル売り・円買いは後退しそうだ。



【米・マークイット4月製造業PMI】(23日発表予定)

23日発表のマークイット4月製造業PMIは60.0と、前月の59.1から上昇する見通し。想定通りなら過去数年間で最も高水準となり、米国経済正常化への期待が広がり、株高・ドル高につながる要因となろう。



予想レンジ:107円50銭−110円00銭