【今週の概況】

■米キャピタルゲイン税率引き上げ観測などでドル弱含み



今週のドル・円は弱含み。週初に108円85銭までドル高・円安に振れたが、米国務省は英国、カナダ、フランス、ドイツ、メキシコなど100カ国近くを渡航禁止の対象としたことや、バイデン米大統領は富裕層向けのキャピタルゲイン増税案を提示するとの報道を受けて、リスク選好的なドル買い・円売りは縮小。日本政府は新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言を東京、大阪、兵庫、京都の4都府県に対して発令する方針を固めたことも、ドル売り・円買いにつながったようだ。



4月23日のニューヨーク市場ドル・円は一時107円48銭まで下落した。バイデン政権のキャピタルゲイン増税案は景気回復を妨げるとの懸念でドル売り・円買いが優勢となった。しかしながら、米マークイット4月製造業・サービス業PMI速報値の改善や3月新築住宅販売件数は2006年8月以来の高水準となったことから、ドル・円は、一時108円15銭まで戻しており、107円87銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:107円48銭−108円85銭。



【来週・再来週の見通し】

■米景気回復への期待持続でドル売り縮小も



来週・再来週(4月26日−5月7日)のドル・円は底堅い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)は4月27-28日に連邦公開市場委員会(FOMC)の会合を開催し、現行の金融政策維持を決定する見通し。金融緩和策の長期化への思惑は消えていないことから、ドルの反発を抑える要因となる。また、28日に予定されるバイデン米大統領の施政方針演説で、キャピタルゲイン課税など増税計画について話すと見られており、ドル買いを抑制する材料として注目される。



ただ、米国における新型コロナウイルス向けのワクチン接種は急速に拡大しており、米国景気の早期回復への期待は残されている。米バイデン政権はワクチン接種を加速させ、就任100日を前に2億回に達しており、長期金利の低下やドル売りを抑える要因となろう。こうした事情から、リスク回避的なドル売りはやや縮小する可能性がある。



【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(4月27-28日開催予定)

4月27-28日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)では、現行の金融政策が維持される公算。資産買入れ規模の段階的縮小への観測はくすぶるが、緩和的な政策姿勢で金利の上昇を抑制しよう。一方で株高継続により、リスクオンのドル買いも想定される。



【米・1-3月期国内総生産(GDP)速報値】(4月29日発表予定)

4月29日発表の米1-3月期国内総生産(GDP)速報値は、10-12月期の実績値を上回る可能性がある。ただ、市場予想を下回った場合、景気回復への期待は後退し、リスク選好的なドル買いは縮小するとの見方もある。



【米・4月ISM製造業景況指数】(5月3日発表予定)

5月3日発表の米4月ISM製造業景況指数は65.1と、3月実績の64.7をやや上回る可能性がある。市場予想を下回った場合でも雇用指数が小幅な低下にとどまった場合、米国経済の早期正常化への期待は継続し、ドル買いにつながる可能性がある。



【米・4月雇用統計】(5月7日発表予定)

5月7日発表の米4月雇用統計については、失業率は5.8%、非農業部門雇用者数は前月比+88.8万人程度と予想されている。3月の非農業部門雇用者数は市場予想を大幅に上回ったが、4月の雇用者増加数は3月実績をやや下回る見込み。それでも、市場予想とおおむね一致した場合、雇用拡大を意識してドル買い・円売りがやや強まる可能性がある。



予想レンジ:107円00銭−109円50銭